ハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」で好評の「ブックツリー」は、本の専門家たちが私たちの“関心・興味”や“読んでなりたい気分”などに沿って、独自の切り口で自由におすすめの本を紹介する企画です。 そんな数あるブックツリーの中から、ビジネスパーソン向けのものを編集部が厳選! 教養や自己啓発、ビジネスの実践に役立つものをピックアップしてお届けします。
ブックキュレーター:人事コンサルタント 平康慶浩
会社の中で出世する仕組みを知り尽くした筆者が、今の会社で出世しなくてもいいんじゃね?と思っている人たちに向けてオススメしたい本を紹介します。転職でも起業でも副業でも複業でも選択肢はなんでもいい。ただ、長く生きる人生を、自分の思うように生きたいのなら、これらの本は必ずあなたの武器になるでしょう。
著者は電通のヒト。イマドキは著者が電通と書くだけで多分目を引ける。けれども内容はガチ。そもそも、日本人で日本語をしっかりと話せて書ける人はおそらく10%もいない。その日本語の使い方をしっかりと教えてくれる。語れることを研ぎ澄まし、自分自身の価値を思い出すことができれば、生きていくことは楽になる。
めんどくさい書き方。わかりづらい。頭に入ってこない。けれども、それを乗り越えたら少なくとも5年くらいは人生のバイブルになる。「準備をする」「相手のことを考える」という基礎的なことを踏まえ、「そもそもなんのためにこの仕事してるんだっけ」ということすら考えるきっかけを与えてくれる。
生きるということは、人を動かすこと。自分だけでできることなんて大してない。けれども「こうしてください」と言ってそうしてくれる人なんてほとんどいない。なぜ人はワガママで、なぜ自分はいつも不満を持つのか。その解決方法はあるのか。答えはこの本の中にある。
幸運を引き寄せる方法は簡単だ。要約すれば「期待せず与える」ということ。だからこそ、自分のことを「運が悪い」と思っている人たちにぜひ読んでほしい。自分は「運がいい」と思う人たちは納得するはず。幸運は引き寄せられる。科学的に。人生が長くなるほど、幸運は必要だ。
「人生100年時代」をはっきりと提唱した本。著者がイギリスの人だから日本に関係しない、と思いきや日本人だからこそ読むべき内容がつまっている。会社に頼る人生は終わりをつげ、自分で自分の人生の責任を負わないといけない。厳しい現実だけれども、それを楽しむ方法が書かれている。
ブックキュレーター:人事コンサルタント 平康慶浩
組織のビジョンを達成するために、人と組織の行動変革を促す仕組みを設計し、運用を支援する人事コンサルタント。20年以上にわたって企業の人事マネジメント改革に直接携わる傍ら、グロービス経営大学院准教授として、人と組織の本質について広く講義もしている。また、一般社団法人高度人材養成機構理事として、内閣府が進めている「人生100年時代構想」の具体化についての提言も行っている。代表的な著書に『出世する人は人事評価を気にしない』『7日でつくる新人事考課』などがある。人事コンサルティングのセレクションアンドバリエーション株式会社(http://www.sele-vari.co.jp/)代表取締役。
※本記事はhonto「ブックツリー」より転載