身近に迫る仮想通貨技術「酒」の品質をブロックチェーンで証明

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt

仮想通貨(暗号資産)で利用されるブロックチェーン技術が身近になってきた。楯の川酒造(山形県酒田市)は、酒米の生産から日本酒が出荷されるまでの品質を、ブロックチェーンで証明する取り組みを始めた。

チケミー(東京都文京区)は2022年11月に、NFT(非代替性トークン=ブロックチェーン上に記録される代替不可能なデータ)引換券の販売インフラ「TicketMe Goods」をリリースし、絵画や伝統工芸品、酒類などを対象にしたNFT引換券を、初期コスト無料で誰も簡単に売買できるようにする。

これら取り組みで、Web3(フェースブックやグーグルなどの巨大な仲介業者を介さずにデータ利用する技術)の技術や、暗号資産の知識などがなくても、ブロックチェーンを利用できるようになる。

ブロックチェーンは改ざんが難しく、システムダウンが起きない技術のため、幅広い分野での応用が見込める。次はどんな分野なのか。

品質改ざんができない

楯の川酒造は、ブロックチェーンの基盤である「Tracified」を活用して、日本酒の原材料の調達から生産、消費、廃棄まで追跡可能な状態にするトレーサビリティーを証明する取り組みを始めた。

品質に対する責任を明確にするためで、これによって商品の品質などの改ざんが一切できなくなる。

また、商品の予期せぬリスクに対し早急な対応を実現することにもつながるとみており、危機管理の面でも効果があるとしている。

対象の商品は2022年11月10日に発売する日本酒「閃光」で、同商品を購入後、ラベルのQRコードを読み取ると、酒米の生産から商品ができ上げるまでの記録を見ることができる。

楯の川酒造は1832年の創業で、日本酒のほかにも焼酎やリキュールなどを生産している。190年の歴史と最新技術との出会いは何を生み出すだろうか。

楯の川酒造
楯の川酒造が2022年11月10日に発売する日本酒「閃光」(同社ニュースリリースより)

仮想通貨なしで、誰でもNFT引換券を販売

「TicketMe Goods」は、酒類や絵画などのNFT引換券を販売するための基盤となるもので、事業者は専門的な技術や知識などがなくても簡単に酒類や絵画などのNFT引換券を、NFT引換券価格の8%の手数料だけで販売することができる。売り上げの回収は、暗号資産ではなく全て日本円で行えるほか、商品が売れなければ8%の手数料も発生しない。

一方、引換券の購入者は、暗号資産を持っていなくてもクレジットカードで購入できるため、NFTの知識が全くない人でも利用できる。現物の受け取りは、TicketMe Goods内で配送先住所を記入することで行う。

チケミーはブロックチェーン技術を用いたNFT関連サービスを提供するスタートアップ企業。

チケミーはブロックチェーン技術を用いたNFT関連サービスを提供するスタートアップ。
「TicketMe Goods」のイメージ(同社ニュースリリースより)

文:M&A Online編集部

NEXT STORY

ビットコインやや持ち直すも、暗号資産(仮想通貨)へ悲観的観測

ロイター・ニュース・アンド・メディア・ジャパン
| 2022/6/17
2022.06.17

大坂なおみが取引所FTXの株式を取得、報酬は仮想通貨で

ロイター・ニュース・アンド・メディア・ジャパン
| 2022/3/25
2022.03.25

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5