【トルコ危機】知っているようで、知らない国「トルコ」とは

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世界史に燦然と輝く

トルコはアジアとヨーロッパの文明が出合う十字路といわれる。西アジアのアナトリア半島と東ヨーロッパのバルカン半島東端を領有。黒海、地中海に面し、ブルガリア、ギリシャ、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン、イラン、イラク、シリアと国境を接する。隣国の多さは島国・日本では到底考えられない。

歴史の教科書で教わったように、トルコはかつて世界史で燦然と輝いている。オスマン帝国は1299年に建国。15世紀にビザンチン帝国(東ローマ帝国)を滅ぼし、イスタンブールを首都とした。東はアゼルバイジャン、西はモロッコ、北はウクライナ、南はイエメンに版図が広がる大帝国を打ち立てた。イスタンブールから、アナトリア半島の中央部のアンカラに首都が移ったのはトルコ共和国が成立してから。

現在の国土は78万平方メートルで、日本のざっと2倍。人口は7981万人。2017年の名目GDP(国内総生産)は8494億ドルで、世界第17位。中東ではトップだ。

NATO(北大西洋条約機構)には1952年に加盟し、ヨーロッパの“一員”として活動している。しかし、EU(欧州連合)への加盟は難民問題やエルドアン政権の強権化などが絡み、進展していない。

世界10位の経済大国を目指すトルコ

経済関係はどうか。トルコはその立地から、EUや中東、アフリカに向けた生産・輸出基地として注目され、日本企業の進出も増えている。2016年時点の進出は188拠点(前年比36%増)で、業種も商社、建設、製造業に加えて、金融、食品、医療などに広がっている。日本政府もトルコとのEPA(経済連携協定)交渉を加速し、関係強化に力を入れている。

トルコから日本への輸出品としてはスパゲティ、クロマグロ、紙巻きたばこなど、日本からの輸入品では建設機械、自動車・部品、エンジンなどが上位を占める。ただ、貿易相手国として日本は輸入で12位(2.0%)、輸出で62位(0.3%)で、とりわけ対日輸出には拡大余地がありそうだ。

ちなみに、トルコは2023年の共和国建国100周年までに世界10位の経済規模と輸出額5000億ドル(2016年1426億ドル)という目標を立てている。

在日トルコ大使館(東京・神宮前)

文:M&A Online編集部

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