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【野田醸造建築群】醸造家が育て支えた伝統と財|産業遺産のM&A

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「野田の醤油発祥地」碑。永禄年間に飯田市郎兵衛家が醤油づくりを始めたとされる

Show you Bank?

駅舎を出ると、そこはかとなく漂う“むらさき”の香り……というわけではないが、街全体が醤油の香りにほんわかと包まれるような千葉県・野田。醤油醸造の老舗大手キッコーマン株式会社の企業城下町である。

旧野田商誘銀行本店(野田市内)

実は野田は伝統産業の醤油づくりを支えるため、早くから金融が発達した町としても知られる。その一つが1900年に創立した野田商誘銀行である。

野田商誘銀行は、その設立発起人のほとんどが地元の醤油醸造家であった。1887年に、地元醸造家らによって設立された野田醤油醸造組合。その組合が設立した銀行であり、行名は醤油にちなんで「商誘」と名づけられた。ウケないオヤジギャグと笑われそうな行名だが、立派に歴史に名を刻むと、行名の由来もその存在価値も意義深く感じられる。

野田商誘銀行は近在の醤油醸造家たちの機関銀行として、出納、さらには預金や貸出業務を営み、1926年には市内野田下町に立派な本店を構えた。野田にある歴史的建造物の一つ、「旧野田商誘銀行本店」である。

当時の建築の流行は、1910年代半ばから1930年代にかけてヨーロッパやアメリカで流行し、線や記号、幾何学的な模様やパターンで構成されたデザインが特徴のアール・デコ様式と呼ばれるもの。野田商誘銀行本店もその様式を踏まえ、いまも端正かつモダンな雰囲気を醸し出して建っている。

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