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旧村上ファンド系「シティ」が動きを加速、アークランズを標的に加える
旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)による大量保有報告書(5%ルール)の提出が活発だ。シティの提出件数は今年に入って累計53件(10月19日時点)に上るが、その半数以上にあたる28件が8月以降に集中している。
M&A Online編集部が大量保有データベースで2022年10月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、食品宅配事業を手がけるオイシックス・ラ・大地が、業務提携を目的に給食事業を手がけるシダックス株式を新規に27.97%取得したことが分かった。
オイシックスは2022年8月29日に、シダックスにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。オイシックスとシダックス創業家は、TOBを通じて両社が業務提携し、シダックスの給食事業と、オイシックスの食品宅配事業でシナジーを引き出すことを狙っていた。
ところがシダックスの取締役会は9月5日に、創業家の意向に反してTOBに反対すると発表し、敵対的なTOBに発展していた。その後シダックスの給食事業の協業相手を検討する「特別委員会」を設置することで合意できたため、シダックスは10月7日に、TOBへの意見表明を「反対」から「中立」に変更すると発表し、10月24日にTOBが成立した。
米国の投資ファンド・ベインキャピタルは、TOBで日立金属の株式を35.48%取得し、日立金属の保有株の売却を決めている日立製作所分と合わせ、保有割合を88.69%とした。
日立金属は1956年に日立製作所の鉄鋼部門が分離独立して発足した、日立グループ内の有力企業だったが、グループ事業の再編の中で、売却が決まった。
このほかに、三機サービスやシナネンホールディングスなど多くの株式を保有する光通信が純投資を目的に、大東建託の株式5%を新たに保有したほか、若築建設や大豊建設などの株式を保有する麻生が、ガス配管工事会社の協和日成の株式を新規に5.14%保有した。麻生は「安定株主として長期にわたり保有する予定」としている。
2022年10月の大量保有報告書などの提出件数は1018件で、このうち保有割合を増やしたのが261件、新規保有が166件、保有割合を減らしたのが499件、契約の変更などが92件だった。
文:M&A Online編集部
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旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)による大量保有報告書(5%ルール)の提出が活発だ。シティの提出件数は今年に入って累計53件(10月19日時点)に上るが、その半数以上にあたる28件が8月以降に集中している。