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トランプ政権混迷下、ソフトバンクが米CATVチャーターに合併提案 米メディアはどう報じたか

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トランプ大統領は選挙期間中、メディアの権力集中を招くとして、AT&Tの買収計画を批判した。同社は、昨年10月に854億ドルで米メディア大手タイムワーナーの買収を発表したが、依然、米規制当局による承認待ちの状態にある(ブルームバーグは7月25日の時点で、関係者と協議段階にあることを報じた)。承認の可否を判断する司法省高官の議会承認の遅れも影響し、手続き完了までの道のりは長い。

スプリントも、トランプ政権の長引く迷走という逆風の下、「全米3社目の対抗勢力となるための連携相手」を模索している。

孫社長の思惑とは

スプリントの携帯電話契約数は約5600万件(2016年末時点)。本業の携帯で、約7100万件の契約を持つTモバイルUSと統合交渉を進める。チャーターとの交渉が成立すれば、スプリントがTモバイルとの交渉で優位に立てる可能性もある。しかしドイツ経済新聞は、TモバイルUSを傘下に置く独テレコムが統合後の主導権確保をめざしており、孫会長が合意するかどうかが鍵になると指摘している。価格面でもまだ折り合いはついておらず、両社とも“(they) are open to other partners.”と語っている段階である。

業績回復中のスプリント 台風の目となるか

米国ではスマートフォン市場が成熟し、ベライゾン・AT&Tともに17年1~3月期契約件数は減少に転じた。4月以降の各社は、無制限データ利用プランなどで顧客の激しい維持拡大競争を展開している。

スプリントの現状については、様々な指標から明るさが読み取れる。コスト削減の努力、ポストペイド携帯電話の契約数の堅調な推移、解約率の低水準維持、売上高の順調な拡大等。ただしロイター通信は、「スプリントの収益改善は過激な値引きの成果であり、同社のネットワークはライバル社に比べ依然見劣りする」と分析している。

8月1日に発表された2017年4月~6月(第2半期)の純損益は2億600万ドルの黒字。ブルームバーグは「合併を視野に入れる孫会長にとっては追い風となる業績」と解説した。

なおロイター通信は、今回のスプリントとチャーターとの連携について、「消費者にはインターネットと携帯電話サービスのワンストップショップをもたらし、両社にとっては第5世代(5G)無線技術の普及という点で強力な足がかりとなる」とコメントしている。

TモバイルUSとの協議が長引く中、ソフトバンクは何を仕掛けようとするのか。海外メディアも固唾を飲んでその動向を見守っている。

<参照URL>
https://www.reuters.com/article/us-charter-commns-m-a-sprint-corp-idUSKBN1AD2SR
http://money.cnn.com/2017/07/31/technology/charter-no-interest-sprint-softbank-merger/index.html
http://www.money/cnn.com/2017/05/10/technorogy/sofutobank-masa-son-sorinto-tmobile/index.html
https://washpost.bloomberg.com/Story?docId=1376-OTZE7A6K50XX01-4Q6SS8O061SOLKJNCRN328SAFJ
https://www.nytimes.com/reuters/2017/07/31/business/31reuters-charter-commns-m-a-stocks.html
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-07-24/at-t-said-to-be-in-early-u-s-talks-for-time-warner-approval

文:Yu Yamanaka/M&A Online編集部

M&A Online編集部

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