今回は、「リバースモーゲージ」についてご紹介いたします。

リバースモーゲージには様々なスキームがありますが、代表的なものとして次のスキームがあります。
 (1)不動産を時価評価して貸付極度額を設定する。
 (2)利息は元本組入されるので期中に返済する必要はない。
 (3)土地建物に第1順位の根抵当権を設定する。
 (4)返済期限は、借入人が亡くなった時や保対象土地建物を売却した時に到来する。

このようなスキームを利用することによって居住している家を維持しながら、老後の資金を調達することが可能となります。もっとも次のような問題点が指摘されていますので、注意が必要です

≪1、相続人の同意の問題≫

根抵当権を実行し担保目的物を換価するには、民事執行法の担保不動産競売手続によることとなります。これが原則ですが、実務上はいわゆる任意売却を行うことが多いようです。
任意売却によった場合のほうが売却価格が高くなると言われています。

しかし、任意売却の方法によるためには相続人の同意が必要となるため、相続人に同意が得られない場合には民事執行法の手続を採用しなければならず、この場合には時価のおよそ7割から6割でしか売れないと言われています。

売却価格の低下はそのまま融資額の減少となりますので老後の資金として十分な借入ができない可能性がでてきます。

上記のような問題に対しては信託を用いたスキームによって解決することが提案されています。 
居住用の土地建物を信託して、所有者が信託受益者となります。
そしてその信託受益権に質権を設定します。

その後に所有者が死亡した場合には、受託者が土地建物を任意売却し、売却代金を質権者の弁済し、残りを相続人に分配するとの内容を事前に信託契約の内容として定めておくのです。

信託契約に定めておくことによって相続人の同意を不要としているわけです。

≪2、担保価値の下落≫

借入人が極めて長寿を全うした場合には担保不動産の経年劣化による担保価値の下落の問題が生じます。

土地に関しての下落は考えなくても良いでしょうが、マンション(敷地権付区分建物)の場合には担保価値の内、土地の価値はわずかとなりますので融資の回収不能リスクが出てきますので、その結果融資額の減少につながることも考えられます。

文:司法書士法人・行政書士法人 星野合同事務所
メルマガCLOSEUP Vol.099 2015.09.30より転載