議決権行使助言会社であるInstitutional Shareholder Services Inc.(ISS)による2016年議決権行使助言方針が2016 年2 月以降に開催される株主総会から適用されていますが、今回の改定により新たに買収防衛策に関する基準が厳格化されています。

 ISS の議決権行使助言方針によれば、ISS は、買収防衛策に関する議案に対して二段階で評価するものとし、まず取締役会の構成、買収防衛策の内容、情報開示等の形式審査を行い、当該形式審査をクリアした買収防衛策議案に対してのみ、個別に検討する個別審査を行うものとされています。今回の改定では、形式審査の基準について、①取締役会に占めるISS の独立性基準を満たす社外取締役の比率が従前の「20%以上」という基準から「3 分の1 以上」に変更され、②特別委員会の委員全員がISS の独立性基準を満たす取締役又は監査役であることが新たに必要とされ、③招集通知については従前の株主総会開催日の「3 週間前の発送」という基準から「4 週間前の取引所ウェブサイトへの掲載」という基準に変更されています。

 さらに、このように形式審査の基準が厳格化されたことに加え、個別審査の基準についても、招集通知において買収防衛策の導入がどのように株主価値向上の施策の実行に役立つのかについて、情報開示の充実が求められるように変更されています。

 これは、買収防衛策の議案に関する会社の説明として、他社と類似した没個性的な説明に終始することなく、各社の経営計画・事情に応じた具体的・積極的な説明を求めるものといえますので、実務上、留意する必要があります。

(文:森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2016年3月号 Vol.27より転載)

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