アプレ銀行の歴史的建造物

足袋のまち・行田にある武蔵野銀行行田支店

アプレ銀行の1つである武蔵野銀行の開業は1952年。そのためであろう、埼玉りそな銀行の川越支店(旧第八十五銀行本店。ただし現在は移転予定)のように、いわゆる金融史を彩るような歴史的建造物は本支店ともにあまり見当たらない。

そのなかにあって県北の商業と歴史のまち、行田にある行田支店は、重厚な銀行建築物として知られている。その行田支店はもともと、1934年に竣工した忍貯金銀行という埼玉銀行の前身銀行の本店として建造された。

忍貯金銀行の本店は、戦時中に行田足袋元売販売という会社に買い取られる。足袋は、いまも行田の主要産業の1つだ。戦後、この建物は足袋組合の会館として使われ、1969年に武蔵野銀行行田支店となった。

横浜・千葉・埼玉の提携は東京包囲網のように

武蔵野銀行は近年、県民重視とともに隣県との提携も強化している。2017年4月には千葉銀行<8331>とともに千葉・武蔵野アライアンスという新会社を設立した。フィナンシャルグループ(共同持株会社)というスタイルではなく、資本金の1000万円は両行折半の出資、取締役も両行同数で、新会社として、より独立した経営を維持しつつ提携を進める。

新会社設立後、資産運用ビジネス、国際業務、相続関連業務、保険コールセンター業務、金融商品仲介業務などについて順次協働化を図り、人材育成に関する協働も進めていく。これを新しいビジネスモデルによる独立進取の発現と捉えるか、生煮え、ただの不可侵提携と捉えるかは見方により異なるだろう。

また2019年3月には、千葉銀行とともに、第四銀行、中国銀行、伊予銀行、東邦銀行、北洋銀行、北越銀行が参画するTSUBASAアライアンス(現在は滋賀銀行も加わる)にも参加し、提携の輪を広げている。

他の都道府県の地銀と同様に、首都圏・関東の地銀も統廃合は一段と加速化してきた。首都圏では2016年、横浜銀行と東日本銀行の統合によるコンコルディア・フィナンシャルグループが誕生し、常陽銀行と足利ホールディングスの統合によって、めぶきフィナンシャルグループが誕生した。

そして2019年7月に、千葉銀行と横浜銀行が千葉・横浜パートナーシップと称する業務提携を結んだことを発表した。いわゆる地銀トップバンク同士の提携だけに、今後M&A案件での協働や大型のビジネスマッチングが促進されるだろう。

千葉銀行との協働を強化する武蔵野銀行としては、千葉・横浜パートナーシップに追随するスタイルになるのだろうか。そうであれば、横浜・千葉・埼玉といういわば東京包囲網が首都圏の地銀において誕生することになる。従来のフィナンシャルグループ、持ち株会社の形成とは異なる新たな提携スタイルも加速化しそうな勢いである。

文:M&A Online編集部