今観ても面白い!手形詐欺を扱った『白昼の死角』
映画『白昼の死角』は、1959年に発表された東大生による闇金融事件「光クラブ事件」をモデルとした高木彬光氏の社会派推理小説を映画化したもの。昭和の時代に思いをはせながら見るのもまた良し。
実は、国内では毎年1200本前後の映画が“新作”として劇場で公開されています。都内のミニシアターのレイトショー作品から、全国数百スクリーンでの公開のものまで含まれるので、すべてを横一線に並べることはいささか無理のある話ですが、それでも1ヶ月に100本、各週末に25本の映画が“新作”として何らかの形で公開されています。
そのためには大ヒットが予想されても、新作の公開が控えているために上映体制を確保し続けなくてはいけませんでした。しかし今年は、新型コロナウイルスの影響で多くのエンターテイメントが停止。映画の中心地であるハリウッドの大作群も全米の映画館の営業停止を受けて、軒並み公開が延期されました。
クリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』は劇場第一主義を重視して、劇場公開できる国から順次公開していくという選択を取りましたが、他の主だった作品は軒並み公開延期となりました。
アメリカ本国で公開できなければ、当然海外での公開も出来ません。結果として世界各国の映画館では当初予定していた”枠”が宙に浮いた状態にありました。
一方で国内では10月に入り、劇場の入場者制限の緩和が決まると、需要の落ち込みを相殺していた部分を開放しなくてはいけなくなりました。そこに現れたのが『鬼滅の刃』でした。これがピタリとはまり、コロナ禍による特殊な環境が『鬼滅の刃』の記録的な大ヒットを生んだともいえます。
競合する大作が軒並み延期になったことで、今後も『鬼滅の刃』の勢いと公開体制はしばらくキープし続けると思われます。
前作で興行収入83億円を記録した『STAND BY MEドラえもん2』が11月20日に公開されます。これがおそらく直近での最大のライバルとなるかと思います。 配給の東宝はIMAX社と『鬼滅の刃』などを含む5作品と契約合意を発表しており、『STAND BY MEドラえもん2』も含まれています。ただ、現在の『鬼滅の刃』の勢いに水を差す、というところまではいかないでしょう。
その次の競合作品は、年末・クリスマス(12月25日)にハリウッドの大作『ワンダーウーマン1984』が公開される予定ですが、こちらは本国アメリカの公開状況次第ですので、現時点ではわかりません。そうなると、お正月映画の中心も『鬼滅の刃』になる可能性が高く、延期されていた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開(2021年1月23日)まではその勢いを止める存在はいないと言ってよいでしょう。
コロナ渦という今までに経験したことのない状況を逆手に取り、冒険とも言える公開体制を築いたうえで、記録された『鬼滅の刃』の大ヒット。なかなか攻めの姿勢に転じにくい現在ですが、そんな中で気概を見せた日本の映画業界は後々、さらに評価されるのではないでしょうか。
文:村松健太郎(映画文筆家)

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