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金融審議会公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループが報告を公表

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金融審議会は、金融庁の審議会の一つ(写真は金融庁)

金融審議会が、2023年12月25日、公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループによる公開買付制度・大量保有報告制度・実質株主の透明性のあり方等についての報告を公表しました。

かかる報告において、公開買付制度については、市場内取引等を通じた非友好的買収事例の増加、M&Aの多様化といった環境変化を踏まえ、主な事項として、以下のとおり提言がなされました。

① 資本市場の透明性・公平性を確保するため、市場内取引を通じて企業支配権に重大な影響を与える場合にも、公開買付けの実施を義務付けるべき。

② 企業支配権に重大な影響を与えるか否かの閾値(現行の3分の1ルールの閾値)を、議決権行使割合や諸外国の水準を踏まえ、「議決権の3分の1」から「議決権の30%」に引き下げるべき。

③ 買付予定数に上限を設定した公開買付け(部分買付け)を実施する場合、強圧性等の問題に鑑み、公開買付け後の少数株主との利益相反構造に対する対応策や一般株主から反対があった場合の対応策について説明責任を果たさせるべき。また、追加応募期間を設けることを希望する公開買付者が任意にこれを設けることができるよう制度を整備すべき。


④ 現行の5%ルールの趣旨に照らして適切な範囲かつ当該趣旨を潜脱するおそれがない範囲において、(i)単元未満株式の買付け等や(ii)機関投資家等の顧客からの買付け等であって、その後直ちに売却することを予定しているものといった取引が5%ルールの適用対象とならないことを明確化すべき。

⑤ 実態に即しない画一的な運用を避けるため、別途買付けの禁止に関する規制、形式的特別関係者に関する規制、公開買付期間に関する規制、買付条件の変更に関する規制等について、個別事案ごとに例外的な取扱いを許容する制度を設けるとともに、それを可能とするために当局の体制を強化すべき。

⑥ 公開買付けの予告について、市場の安定性を担保する観点から、当局のガイドライン等をもって公開買付けの予告を行う際の開示のあり方を整備すべき。

今回公表された報告内容は、今後金融審議会総会・金融分科会において報告される予定であり、引き続き今後の議論が注目されます。

<参考資料>
金融審議会「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」報告

パートナー 大石 篤史
アソシエイト 松尾博美

森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2024年1月号(第121号)より転載

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