順調に思われた海外M&Aも
戦略の立て直しを迫られる

 極めて高い知名度を誇るグローエの買収はLIXILにとって願ってもないものだと思われた。しかし、15年、同社は中国で水栓金具を手掛けるグローエの子会社、ジョウユウの破産手続きに伴い、14年3月期から3年間の損失が最大661億円の見込みと発表した。同社の財政実態を調べたところ、財務報告と大きく懸け離れていることが判明した。

 LIXILグループは20年度に海外売上高1兆円を掲げ、M&Aを進めてきた。高価格帯をグローエ、中価格帯をアメリカン・スタンダードとLIXIL、低価格帯はジョウユウとブランド戦略を行うはずだったが、新興国開拓の先兵的な位置付けだったジョウユウを失い戦略の立て直しを迫られることとなった。

矢継ぎ早に行ったM&Aにより
自己資本比率は30%近くに

 LIXILグループは、相次ぐ海外での大型買収で財務体質は以前より脆弱(ぜいじゃく)化している。同社発足前の09年3月末の同社の自己資本比率は約50%だったがペルマ社の買収などで借入金が膨らみ、12年3月末には35.7%まで低下。さらに、グローエの買収に新たに1000億円の借り入れを行い、直近の15年3月末には32.1%まで低下している。同社は自己資本比率が30%となるまでは借入拡大によるM&Aを行う方針ではあるが、まずは買収した海外企業の黒字化とLIXILグループとしての収益力改善が求められる。

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