コロナ禍で職を失い苦境に陥る人たちが目立つ中、いくつかの調査では、転職で収入を増やす人が多く、人手不足を背景にアルバイトやパートの時給が上昇するなどの現象が生じている。
もちろん「2022年の家計は苦しくなりそう」と予想する人が数多いのも事実で、まだら模様を呈している状況だ。調査の中身を見ていると…。
人材派遣や人材紹介などを手がけるアデコ(東京都千代田区)は、全国の20代から40代までの正社員3951人を対象にコロナ禍の転職(2020年4月以降に行った転職活動)に関する調査を実施した。
この結果、コロナ禍の中、転職した1200人のうち、45.1%が転職後に給与や報酬が増え、21.6%が変わらなかったと回答しており、合わせて7割近くが転職先で前職以上か、同等の給与や報酬を得ていたことが分かった。
3951人のうち54.9%にあたる2169人が、2020年4月以降に転職活動を行い、このうち91.7%に当たる1989人が実際に転職した。さらにこのうちの20代、30代、40代の男女200人をランダムに抽出した1200人を対象に調査した。
1200人のうち、転職を決めた背景に新型コロナの影響があったと回答したのは33.4%で、半数以上の51.8%は、新型コロナの影響はなかったと回答。また、転職した理由は「勤務先の将来性に不安があった」が最も多く、全体の35.3%に達した。
アルバイト・パート求人サイトなどを運営するマイナビ(東京都千代田区)は、アルバイト募集時の平均時給データを公表しており、直近の2021年11月の全国平均時給は1139円で、前月(1137円)、前年同月(1122円)よりも増加した。
前年同月比は2021年5月以降7カ月連続で増加しており、同期間の前月比では9月を除き、7カ月中6カ月で増加した。
11月の求人件数は前月比、前年同月比ともに増加しており、特に飲食、フードの求人件数(前月比約1.2倍、前年同月比1.6倍)の伸びが大きく、平均時給も前月に続き過去最高額を更新した。
マイナビによると「例年年末にかけて飲食店の人材獲得の需要が伸びるため飲食、フードの平均時給はさらに上昇することが考えられる」としている。
菅義偉内閣が16日誕生した。菅氏は法政大学の卒業生。同校から初めての首相だ。これにより、東京6大学で首相をいまだ輩出できずにいるのは立教大学だけとなった。