「霞が関」と「霞ケ関」。日頃は意識していないが、よく見ると違う。そんな紛らわしい地名というのが往々にしてある。普段の会話なら何ら問題ないが、文字にする際は注意するに越したことはない。
東京のど真ん中、中央官庁が集中するエリアといえば、「霞が関」。これは千代田区の住所だが、地下鉄の駅名では「霞ケ関」。また、日本初の超高層ビルとして1968(昭和43)年に完成した地上36階・高さ147メートルの建物名は「霞が関ビルディング」となっている。
この一帯は江戸時代に大名屋敷が立ち並び、明治に入って官庁街として整備された。千代田区のホームぺージによると、1967年に「霞ヶ関」(ただし、「ヶ」は小さい)から現在の「霞が関」に町名が改称された。その名前は関所から雲霞を隔てた遠方を望むことができるということに由来するという。
霞が関のお隣はビジネス街の「丸の内」。これも千代田区の住所。東京駅前に構える通称「丸ビル」の正式名は「丸の内ビルディング」だし、区域の警察署は「丸の内警察署」。一方、地下鉄線名は「丸ノ内線」と名乗っている。
そもそも、町名として存在しないのが「御茶ノ水」。JRや地下鉄の駅名となっているが、元々は現在の千代田区から文京区の一部にかけた一帯の呼び名。大学名では「お茶の水女子」と表記されている。
電気街・サブカルチャーの街として知られる「秋葉原」はどうか。JRや地下鉄の「秋葉原駅」は千代田区にあるが、地名の「秋葉原」は隣区の台東区にある。
「品川駅はどこの区にあるの?」。クイズでも出題されることが少なくないが、答えは「港区」。品川区ではない。同じ山手線の「目黒駅」の所在地は目黒区ではなく、「品川区」が正解だが、こちらも出題としてはよく見かける。
それでは、都内関連で問題を一つ。品川や目黒のように区名と駅名が一致しないケースとは異なるが、「小菅駅はあるのは何区?」。
小菅は葛飾区の住所で、東京拘置所も小菅1丁目にある。ところが、東京拘置所の最寄り駅である小菅駅(東武鉄道)の住所はというと、足立区2丁目。東京拘置所の前身は小菅刑務所で、駅はちょうど区境に位置している。
文:M&A Online編集部
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