とはいえ、米国とは事情が異なる面がある。米企業で問題になっている「静かな退職」は40歳より若い中堅世代以下に見られる現象だが、日本では50代以上の「働かないおじさん」問題が取り沙汰されるケースが多い。
米国では40歳以下の世代が社員選別と労働強化に抵抗感を示すが、日本の同世代は自分たちより高給でありながら、働かず成果も出さない50代社員に不満を募らせている。
こうした若手の不満を放置したまま全社員を対象にした「社員選別」と「管理強化」を進めた場合、猛反発を受ける可能性が高い。人手不足が深刻で「売り手市場」となっていることから、若い世代は不満があればさっさと転職する懸念がある。
米企業のように成果を出せば給与が大幅に上がるのなら社員も受け入れるだろうが、そこまで柔軟な賃金制度を導入している日本企業は少ない。
すでに米国では「潮目」が変わっているが、日本でもポストコロナ時代の「働き方」が問われることになりそうだ。しかし、その「舵取り」は難しい。
文:M&A Online編集部
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