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食べるM&A パン業界の巨人、山崎製パンが見せた製菓業界への“進撃”

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“ナビスコショック”を乗り越えられるか?

順調に製菓業界でも存在感を強めてきた山崎製パンですが、製菓事業の中核を担う子会社のヤマザキ・ナビスコが2016年に大きな転機を迎えました。2月、ヤマザキ・ナビスコで製造・販売してきた「リッツ」や「オレオ」などのナビスコブランド4商品について、米モンデリーズ・インターナショナルと結んでいたライセンス契約を8月末で終了すると発表。ナビスコブランドの商品はヤマザキ・ナビスコの年間売上高の約4割を占める主力製品であったこと、しかもヤマザキ・ナビスコは2015年12月期が売上、営業利益ともに過去最高を記録するほどヤマザキグループ内でも利益貢献度が高い子会社であっただけに、契約終了発表後の2月15日には親会社である山崎製パンの株価は14%急落し、“ナビスコショック”として世間を騒がせました。

新商品「ルヴァン」とオリジナル商品「チップスター」 Photo by TAKA@P.P.R.S

とはいえ、山崎製パンも何も策を打たずにいたわけではありません。これを機に9月にはヤマザキ・ナビスコは社名をヤマザキビスケットに改め、「リッツ」の後継商品ともいえる「ルヴァン」を世に送り出しました。ちなみに、長年ヤマザキ・ナビスコが冠スポンサーを務めてきたサッカー大会「Jリーグヤマザキナビスコカップ」の名称も、昨年の決勝トーナメントからは「JリーグYBCルヴァンカップ」と変更されています。
一方、ライセンス契約が終了となった「リッツ」や「オレオ」などのナビスコ商品は海外で生産され、モンデリーズの日本法人であるモンデリーズ・ジャパンを通して販売されています。多くの人が「ルヴァン」と新「リッツ」を食べ比べ、ネット上でもさまざまな意見が飛び交いました。
ヤマザキビスケットの2016年12月期の決算を見てみると、売上は3.7%減の388億円、営業利益は27.6%減の25億円と、数ヶ月の穴とはいえ、明らかに“ナビスコショック”による痛手が見てとれます。

ヤマザキビスケットの売上・営業利益           

2015年12月期 2016年12月期 増減額
売上 40,291 38,813 △1,477
営業利益 3,414 2,507 △907

(単位:百万円)

“ナビスコショック”の影響が容赦なく反映される2017年12月期の決算はどうなるのでしょうか。2017年12月期の計画では、売上367億円、営業利益18億円としています。予想される大幅減益に抗うべく、今後どんな新商品を出してくるのか。ヤマザキビスケットの今後、山崎製パンの次の一手に期待したいところです。

文:M&A Online編集部

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