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長時間労働と労働生産性について

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2.36協定の限界

労働時間を制限する法令としては労働基準法があり、法定労働時間は1日8時間、1週40時間と定められています。しかしこれでは業務が回らないことがあるため、労使で合意して労働基準監督署に届け出れば、残業時間を延長することができます。

この届出のことを、労働基準法第36条に定めがあることから36協定(さぶろくきょうてい)と通称しています。
この36協定には延長の限度があり、例えば年間では360時間が延長の限度です。

「あれ、うちの会社ではそれ以上の残業がしょっちゅうあるよ」という方も多いと思います。
実は36協定には特別条項を付けることが認められています。
これは、「臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情」がある場合には年間360時間を超える延長を認めるものです。

しかしながら「特別の事情」という定義はあいまいですし、緊急対応はビジネスでは頻繁に起こります。
何でもかんでも「特別の事情」と言い出してしまえば、法令上の歯止めは乏しいことになります。

ビジネスマンは、どこでどんな職場や上司、取引先に当たるか分かりません。
制度による保護に頼りすぎず、セルフコントロールが必要です。

3.職場環境

コンサルタントとして数多くの職場を見てきました。あちこちで話し声がするにぎやかな職場もあれば、静かな職場もあります。
私はにぎやかな職場のほうが好きですが、業務に集中したいときは「話しかけないで!」と思うときもあります(わがままです)。

仕事に集中したいときに話しかけられるのはストレスになりますが、うつ病寸前という時にはちょっとしたことを相談しやすい雰囲気は大切です。

業務効率と組織内コミュニケーションの両立は多くの会社での悩み事です。メンター制度を導入してみたり、社内での飲みニケーションに補助金を出したり、色々な取り組みを目にします。

私が「これはいい」と思った事例があります。
みんなが色々なおしゃべりをしているにぎやかな職場なのですが、1人作業用の会議室をいくつか用意しているのです。
ここ一番、業務に集中したいときは人知れずに1人会議室にこもるとのこと。

業務効率を優先しすぎてちょっとしたことを相談しにくくなっては、逆に業務効率を損ないます。
長時間労働やうつ病に対しては、相談しやすい雰囲気は良い緩衝材となります。
職場の雰囲気は簡単には変わりませんが、うまくコントロールしたいものです。

4.労働生産性について

日本の労働生産性は主要国の中で最低という報道をよく目にします

どの文献か忘れてしまいましたが、欧州などは家族で夕食を食べるのが当たり前のため、それでも仕事が回るように権限移譲が進んでいるという分析を見たことがあります。これに対し、全体調和・根回しを必要とする日本の仕事スタイルは、意思決定に時間がかかり、自分でコントロールできないだけに長時間労働にもつながりがちとのこと。

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