信州「稲荷山温泉 ホテル杏泉閣」が破産 新型コロナの影響で

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt
長野県千曲市

~新型コロナウイルス関連破たん~

 稲荷山温泉(株)(TSR企業コード:410124460、法人番号:8100001006094、千曲市稲荷山571-1、設立1956(昭和31)年12月、資本金9840万円、宮坂修由社長)は4月11日、事業を停止し、破産手続きを西村賢弁護士(法律事務所Comm&Path、東京都中央区銀座3-13-19、電話03-6264-2977)へ一任した。
 負債総額は約6億3000万円(2019年3月期決算時点)。

稲荷山温泉の「お知らせ」(TSR撮影)
稲荷山温泉の「お知らせ」(TSR撮影)©東京商工リサーチ

 宿泊施設「稲荷山温泉 ホテル杏泉閣」(客室44室)を運営していた。設立当初は稲荷山町(旧:更級郡)と地元住民が出資する第三セクター方式で運営していたが、その後、完全民営化し、2002年3月期にはピークとなる売上高約3億8300万円を計上していた。

 過去には結婚披露宴に使われ、近年は宴会、日帰り温泉等としても利用されていた。相応の利用客を確保していたものの、過去の設備投資負担が重く、たびたび赤字を計上。近年はコスト削減や営業強化等により再建に努めていたが、2019年3月期の売上高は約1億7400万円まで低下し、採算性も悪化していた。
 こうしたなか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で顧客数が激減。予約数も今まで以上に落ち込み、資金繰りのめどが立たなくなったことから、事業継続を断念した。

東京商工リサーチ「TSR速報」より

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5