サーチャージが一般の値上げと違うのは、値上げの根拠となる事象が消えれば課金されなくなること。ほっかほっか亭の場合、電気代やガス代などが値下がりすれば、サーチャージは0円となるはずだ。
一方、通常の値上げは外部環境が変わっても、同業者との価格競争が起こらなければ据え置かれるケースがほとんど。つまり、ほっかほっか亭弁当のサーチャージによる値上げは、光熱費の下落に伴い解消される可能性もある。
燃料以外にもサーチャージは存在する。急激な為替変動に伴う差損を荷主や乗客に転嫁する「為替変動サーチャージ」や、利用が集中する時期に課す「繁忙期サーチャージ」、紛争地域を航行する船舶や航空機の利用者に上乗せされる「戦争リスクサーチャージ」などだ。
商品の内容量を減らして価格は維持する「ステルス(見えない)値上げ」に比べれば、一般消費者にも一目で分かるサーチャージの方が「明朗」とも言える。
日常で消費する商品やサービスで、一時的な「緊急避難」として光熱費の高騰を補填(てん)するエネルギーサーチャージは定着するのか?ほっかほっか亭の全店舗で導入できるかどうかが最初の関門になりそうだ。
文:M&A Online編集部
関連記事はこちら
・本格化する「値上げ」2万品目の食品が対象に 値上げカレンダーも登場
・【神戸物産】業務スーパー、値上げしても増収増益が続く理由とは