生存企業はわずか3割。「民事再生法」適用企業のその後

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手続進捗 スピード化進む

民事再生法を申請した企業(個人企業除く)のうち、進捗経過を確認できた7,341社の「手続申請→再生手続開始」までの期間は平均21.8日だった。2000年度の40.9日から、2015年度は13.2日に27.7日短縮している。また、「開始決定→認可決定」までの平均期間は234.1日で、2000年度の231.1日から2015年度は196.4日と34.7日短縮している。

これは民事再生法の申請前にスポンサーを選定する「プレパッケージ型民事再生」の増加も経過日数の短縮につながっているとみられる。民事再生手続は再生債務者の再建を迅速に図ることを目的にしており、関係者や裁判所の手続短縮化への努力も効果を見せている。

民事再生手続進捗状況

開始率96.1%、認可率80.2%、廃止率23.3%

民事再生法の適用を申請し、手続進捗が確認できた7,341社(個人企業を除く)のうち、「民事再生開始決定」が下りた企業の割合(開始率=開始社数÷手続社数)は96.1%(7,053社)だった。また、「認可決定」が下りた企業の割合(認可率=認可社数÷手続社数)は80.2%(5,890社)で、大半は「認可決定」までこぎつける事が可能だ。

一方、手続の途中で「廃止」(破産に移行分を含む)となった企業(廃止率=廃止社数÷手続社数)は23.3%(1,714社)で、約4分の1の企業が申立後に廃止となっている。民事再生法の間口は広いが、再生債務を弁済しながら事業を継続する企業は決済条件や資金調達、営業面で厳しい制約があり、再建は容易でないことを示している。

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