生存企業はわずか3割。「民事再生法」適用企業のその後

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申請後の消滅は70.9%

7,341社のうち、2016年8月末時点で事業継続を確認できない企業(消滅企業)は5,205社あり、全体の7割(70.9%)を占めた。一方、事業を継続している企業(生存企業)は2,136社で、申請企業の約3割(29.1%)にとどまる。
民事再生法は経営に行き詰まった企業(債務者)が、裁判所の関与の下で事業再生を図る手続だが、再生に向けて事業譲渡やスポンサーの支援を受けるなど多様な動きもある。このため再生手続中にスポンサー企業への事業譲渡で消滅したり、再生計画の履行が困難となり合併や解散・廃業などで消滅するケースもある。

再建途上で消滅する企業が手続社数の7割(70.9%)を超える現実をみると、民事再生法は再建型の倒産法だが、再建は難しいことがわかる。
消滅した5,205社の内訳は、合併が189社(構成比3.6%)、解散が621社(同11.9%)、破産が1,909社(同36.6%)、特別清算が34社(同0.6%)、廃業や休業、存在が確認できないものが2,452社(同47.1%)だった。
民事再生「終結」前に消滅した企業は2,216社(構成比42.5%)、民事再生「終結」後に消滅した企業は2,989社(同57.4%)で、民事再生の「終結」で裁判所の監督が外れてからの消滅が6割近くを占めた。申請から4年以降を経ても「倒産」のマイナスイメージを払拭できずに経営改善が難しい状況を示している。

※【消滅・生存企業の選定方法】
「消滅企業」は民事再生手続の進捗が確認できた7,341社(個人企業を除く)のうち、①合併・解散・破産・特別清算などにより消滅した企業、②廃業や休業などで同一法人で事業継続が確認出来ない企業(休業・廃業を含む)、③事業実態が確認できなくなった企業。「生存企業」は、7,341社のうち「消滅企業」以外のものとした。

民事再生手続企業 生存・消滅

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