業歴別では、10~50年未満が1,999社(構成比69.2%)で約7割を占めた。次いで50~100年未満が680社(同23.5%)、5~10年未満が123社(同4.2%)と続く。
設立年代別では1950年代が197社だったのに対し、1960年代(335社)、1970年代(656社)、1980年代(549社)と加速度的に設立企業数が増加した。高度経済成長で家庭のレジャー支出が上向いた社会情勢に加え、1964年開催の東京オリンピックを契機にスポーツ、レジャー産業の市場拡大を背景に、企業数も増加した。
また、業歴100年以上の企業は52社(構成比1.8%)だったが、多くは呉服店として創業し、スポーツ用品に扱い品を変更した企業、鉄砲店として創業して現在でも猟銃やスポーツライフルの専門店を経営している企業などが中心。
スポーツ用品市場は、従来は学校用品需要に依存する側面が高く、少子高齢化の影響を受けて市場の伸び悩みが懸念されてきた。しかし、昨今のランニング、アウトドアブームなどで売上は拡大基調に推移、専門店の売上高は2期連続で増加した。一方、利益は2期連続で減少し、前々期から半減した。家電製品と同様、店舗で確認しネットで最安商品を購入する「ショールーム化」が進み、低価格競争による利益率の悪化を招いているとみられる。
矢野経済研究所の調査によると2015年のスポーツ用品国内市場規模(メーカー出荷金額ベース)は前年比3.4%増の1兆3,964億5,000万円、2016年も前年比2.3%増を予測している。リオデジャネイロオリンピック後も2020年の東京オリンピック開催を控え、スポーツへの関心の盛り上がりやブームがますます高まりをみせ、市場拡大への期待は大きい。
ただ、スポーツ用品専門店の7割が売上高1億円未満の小・零細企業で、売上高上位10社の合計が全体の5割を占めるなど、圧倒的な存在感を持つ大手による寡占化が進んでいる。地域密着型で学校用品需要に依存する小規模店も多く、こうした小規模店はネットモールへの出店など、販路拡大が鍵となっている。一方、多大な設備投資を要する大規模店はネットに顧客を奪われないための囲い込み策が課題で、オリンピックに湧く市場だが生き残りをかけた施策が求められている。
近年、同業同士や異業種によるM&Aが加速している介護業界。業界の経営をめぐる最新の動向、M&Aの実態について、高齢者住宅新聞社の網谷敏数社長に伺う、第1回目。