「ショールーム化」でアマゾンに対抗する日本トイザらス

その代表的な商品が紙おむつである。「紙おむつを買いに来た親が立ち寄ったついでに玩具を買う」のが米トイザラスの最近のビジネスモデルになっており、「経営破綻の致命傷になったのは玩具ではなく、紙おむつをアマゾンに奪われたから」との指摘もある。

紙おむつのように保存がきき、梱包が大きくて持ち歩きが面倒な買い回り品はインターネット通販の方が利便性が高い。一方、日本トイザらスは玩具販売が主力であり、買い回り品の売上比率は高くない。そのため米トイザラスに比べれば、インターネット通販でシェアを奪われにくい。同じトイザラスでも日米で売れ筋商品が全く違うのだ。

日本流の「アマゾン対抗策」も功を奏している。家電量販店・ヨドバシカメラが運営するインターネット通販のヨドバシ・ドット・コムが取り組み「アマゾンのシェアを逆に奪っている」といわれる、顧客が店舗で商品を確かめてネットで買う「店舗のショールーム化」モデルだ。日本トイザらスも2015年に、店内の端末からオンライン注文できる「ストア・オーダー・システム」を全店に配備している。

当初の狙いは店舗欠品の売り逃し対策だったが、ある地方店舗で従来は「現品限り」の値引き販売していた売れ残りのベビーカーをあえて売り切らずに残し、店内に見本として展示した。するとこのベビーカーを見た顧客が、同システムや同社のインターネット通販で同じ商品を購入することが判明。それをきっかけに日本トイザらスは「店舗のショールーム化」に舵を切った。

トイザラス店内で遊ぶ子供
店舗はインターネット通販の「ショールーム」になる(Photo By Emran Kassim)

日本トイザらスの業績も悪くない。同社の2017年1月期業績は売上高約1405億円、営業利益約33億円だった。ピークだった2007年1月期の売上高約1943億円に比べ27.7%減と見劣りするが、同期の営業利益は約15億円だったので稼ぐ力は2.2倍に強化されている。日本トイザらスは米トイザラスの孫会社だけに、他社に「身売り」されて社名が変わる可能性はゼロではない。しかし、ビジネスモデルは手堅く、業績も順調だけに、本家の消滅で店舗が閉鎖に追い込まれることはなさそうだ。

文:M&A Online編集部