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日本が石炭火力にこだわるのは、EV普及でガソリンが売れなくなるから

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大崎クールジェンが広島県大崎上島町で取り組んでいる「石炭ガス化燃料電池複合発電実証プロジェクト」(同社ホームページより)

ガソリン消費が減れば、他の石油製品も大打撃に

石油の最大の問題は、ガソリン消費量の減少だ。石油製品は原油を沸点別に分留してガソリンや灯油、軽油などを生産する。現在、石油製品のうち約23%をガソリンが占める。このガソリンが自動車の燃費改善やハイブリッド車(HV)の普及などで消費量が減少している。

将来、電気自動車(EV)が普及すれば、石油製品の中で最も大量に利用されるガソリンの需要が減り、「石油離れ」が加速するのは間違いない。なぜなら石油製品は「連産品」であり、ガソリンの生産量を減らせば発電用燃料となる重油の生産も連動して減ることになる。ガソリンだけ減らして、重油はそのままというわけにはいかないのだ。

余ったガソリンは廃棄物となり利益を生まないために、残る石油製品のコストは上がる。つまり石油火力発電の燃料となる重油はガソリン消費の減少で生産量を減少するか、大幅な値上がりに見舞われる。あるいは、その両方かもしれない。

石油は、そう遠くない未来に調達が難しくなる資源なのだ。石炭は液化しない限り、そのまま利用される。つまり、長期安定して利用できる化石燃料なのだ。一方、火力発電による二酸化炭素の排出量が少ない天然ガスは、欧州を中心に需要が急増しており、争奪戦が激しくなっている。

石炭火力発電に伴う二酸化炭素の排出量は多い(資源エネルギー庁ホームページより)

日本が電気エネルギーを安定的に確保するため、最もリスクが低いのが石炭火力発電なのだ。ただ、石炭火力発電には、地球温暖化という大きなリスクがつきまとうことを忘れてはならない。

文:M&A Online編集部

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