2015年ごろからは、同一スポンサーによる合併が進んでいます。直近では、2018年5月の積水ハウス・レジデンシャル投資法人と、積水ハウス・リート投資法人の合併で誕生した、積水ハウス・リート投資法人<3309>があります。このときの「負ののれん」額は22億6100万円です。
「負ののれん」が発生して投資家の利益が高まることはもちろんですが、同一スポンサーによる統合は別のメリットも生み出します。保有資産規模の拡大です。積水ハウスを例にとってみてみます。
▼積水ハウス・リート投資法人の資産規模
物件数 | 鑑定評価額 | |
---|---|---|
積水ハウス・レジデンシャル投資法人(継承資産) | 101 | 2148億2400万円 |
積水ハウス・リート投資法人(継続保有資産) | 12 | 2602億9000万円 |
合計 | 113 | 4751億1400万円 |
資産規模が大きくなれば、増資を行った場合のインパクトが小さくて済みます。単純に100億円の増資を行うと仮定した場合、2000億円規模と比べて4700億円の資産規模であれば希薄化による分配金の影響は小さくなります。
上の図は日本不動産研究所が発表した、オフィス賃料の推移と予測です。これによると、2017年ごろからほぼ横ばい状態が続く見込みです。オフィス賃料は不動産市況の試金石。そう考えると、日本の不動産価格が上昇する気運は乏しいと見るべきでしょう。すなわち、同一スポンサーによるリートは、合併して資産規模の拡大を目指すものと予想できるのです。J-REIT銘柄の合併ニュースは見逃せない情報となりそうです。
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