では欧州世界の王室は、どうやってユダヤ教徒の共同体とつながり、関係を深めていったのか。初期のきっかけとして最も重要だったのはおそらく金融よりも医学だ。ユダヤ教徒の原点ともいえる専門技能と能力が、ここでも重要な役割を担ったと考えられる。
以前にも述べたが、ユダヤ教社会のプロフェッショナルの頂点は宗教指導者でもあるラビだ。そして、それに次ぐ重要な専門職が医者だった。外科的技術が進んでいなかった中世の医学は、現在の概念で言えば「薬学」に近いものだったと考えられる。そして薬の原料といえば植物だ...
恐らく最も一般的に理解されているユダヤ教徒と金融の関係についての通説は「キリスト教は金利を禁じていたから、キリスト教徒は貸金業をしなかった」「ユダヤ教では異教徒からは金利を取ってもよいという教えだったから、金融業を独占した」。本当だろうか?
前回まで米国におけるデュアルクラスの普及について解説した。翻って日本はどうか。日本でも数年前にこのデュアルクラスについて議論が盛んになったことがある。実は「単元株制度」を用いて実質的にデュアルクラスと同じ効果を持たせることができるのだ。
コーポレートガバナンスに関する議論が盛んだ。しかし、結局のところ「すべての利害関係者にとって有益な企業となるよう、うまいことやりましょう。」という、差し障りのない結論しか聞こえない。 では、正しい議論をするための課題設定はどう設定すべきか。