別の観点からも理由を述べよう。中世欧州におけるユダヤ教徒は「圧倒的マイノリティ」である。その中でも、金融業に進出できるほどの余剰資金を持った成功者はさらに限られたはずだ。
多くのユダヤ教徒は共同体の相互扶助の仕組みの中で、手に付けた職を生かして辛うじて日々を送っていたはずである。圧倒的マイノリティのユダヤ教徒の、またその中のほんの一部の成功者の余剰運転資金の運用だけで、キリスト教社会全体の資金需要をすべて賄えたとは到底思えない...
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。