そりゃないよ!値上げのiPhone15、実勢為替レートに10円も上乗せ

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米アップルの新型スマートフォン「iPhone15シリーズ」が日本時間の13日、発表された。本国の米国ではベースモデルとなる「iPhone15」とその大画面版「15 Plus」、上位モデルの「15 Pro」の価格は前モデルのまま据え置かれたが、日本では4200〜1万円の値上げとなった。アップルが自社の価格為替レートを、実勢レートよりも円安に設定したからだ。

さらなる円安を想定?前モデルよりも上乗せ額は大きく

アップルが日本価格を決める際の為替レートを円安に振るのは「恒例」と言える。これは発売後に円安へシフトした場合でも、為替差損を出さないための予防措置だ。「15シリーズ」の場合、最も実勢レート*(1ドル=146円99銭)に近かったのは「同15」の155円19銭。実勢レートより8円20銭ほど円安だった。

最も円安に振れていたのが「15 Pro」の159円96銭で、実勢レートよりも12円97銭も円安の設定となる。平均で1ドル当たり10円25銭が価格に上乗せ(円安設定)されているわけだ。前モデルの「iPhone14シリーズ」では、平均で6円47銭の上乗せだった。実に4円近く上乗せ額を積み増したわけだ。日本価格から判断すると、アップルは為替相場でさらなる円安を予想していることになる。

*いずれもTTB(金融機関が顧客から外貨を買う際のレート)

モデル名 米国価格(ドル) 日本価格(円) アップル価格為替レート(円) 実勢為替レート(円、TTB) レート差額(円) レート増割合
iPhone15    799 124,000 155.19 146.99   8.20 5.58%
iPhone15 Plus    899 139,800 155.51 146.99   8.52 5.79%
iPhone15 Pro    999 159,800 159.96 146.99 12.97 8.82%
iPhone15 Pro MAX 1,199 189,800 158.30 146.99 11.31 7.69%
(表の価格は全モデルとも最低価格)


今後、日本銀行の「ゼロ金利政策」見直しで実勢レートが円高に振れることがあれば、「15シリーズ」をはじめとするアップル製品の日本価格が引き下げられる可能性は十分にある。2016年4月には円高(当時のレートは1ドル=108円73銭)に伴う日本価格の値下げがあり、その前月に発売されたばかりの「iPhone SE」(第1世代)が5万2800円から4万7800円へ5000円ほど値下げされた例もある。

初代「SE」は発売から1カ月も経たないうちに値下げが発表されたが、発売直後に高値で購入したユーザーへの払い戻しはなかった。日銀が物価抑制のために金利を引き上げる観測も強まっている。円高による日本価格の値下げに期待するのなら、しばらく購入を待った方が良いかもしれない。

文:M&A Online

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