ロンドンをベースにして欧州では圧倒的な存在感があり、特定分野に限らずすべての業界に強みを持ちます。ソフトバンクとの取引は今回が初めてですが、欧州の案件なので「助言会社」をつとめています。
ロビー・ウォーショーは2015年以降だけでロイヤル・ダッチ・シェルによるBG(ブリティッシュ・ガス)の総額470億ポンドの買収(報酬総額1億5500万ドル)、ABインベブによるSABミラーの総額710億ポンドの買収(報酬総額不明)、ドイツ取引所によるロンドン証券取引所の買収、破談になったもののファイザーによるアストラゼネカ買収など、欧州の主要買収案件ほとんどに売り手側か買い手側のどちらかで「助言会社」をつとめ巨額報酬を得ています。また破談になってもいくらかの報酬は必ず請求します。
さてこれら「助言会社」には各国の銀行や証券会社のように管轄機関がなく、守るべきルールも報酬上限も報告義務もありません。また「助言会社」そのものは資本を必要とせず、しかもますます寡占状態となっています。
要するに「助言会社」とは元手がかからず、誰からも規制されず、文字通り人脈とノウハウだけで巨額報酬を得ている「怪物」のような存在です。また大型買収案件といっても企業側からの要望は少ないはずで、その大半がこれら「助言会社」が集まって談合的に作り上げているのでしょう。
今回のソフトバンクによるARM買収でも、その「一端」が少しだけ見えたようです。
本記事は、「闇株新聞」より転載しております。
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関連リンク
「ソフトバンクによるARM社買収について」
【ソフトバンク】M&Aの名手はどのように変革を遂げたのか
闇株新聞について |
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