売却方法の詳細は明かされていないが、「仮想通貨交換業者の協力を得て、売却時点の市場価格を踏まえて売却した」(破産管財人)という。売却時期のビットコインは、2017年12月に200万円を超えたが、2018年2月には70万円台まで大きく値下がりした。折しも1月26日に、仮想通貨販売業者のコインチェックの580億円の流出事件も重なった。一部ではMTGOXの大量販売が価格下落の一因になったとの指摘も流れた。だが、破産管財人は「取引所における通常の売却ではなく、市場価格に影響を与えない工夫をした」と説明する。そして、今後も売却は裁判所と協議したうえで決定していくという。
破産管財人は2018年3月5日現在、管理保有する仮想通貨はビットコイン16万6,344BTC、ビットコインキャッシュ16万8,177BCHと明かす。
一般的な破産手続きは、破産会社の資産を金銭に換価し、債務調査で確定した債権者へ配当(弁済)する。
MTGOXの破産手続きも同様に進められている。ただ、一般的な破産事件と異なるのが仮想通貨の扱いだ。4年前の破産開始決定時のビットコインの価格は約5万円。それが2017年12月20日ごろに最高値の200万円を超えた。だが、その後は一気に100万円を割り込むなど激しい乱高下を繰り返している。2月には70万円台まで下げ、4月27日現在は100万円前後で推移している。
関係者によると、「破産管財人はビットコインを破産開始決定時の価格で評価する」という。その場合、約20万BTCは破産開始時の評価で約100億円。だが、現在価格での評価は約2,000億円。20倍の差が出る。これが、債権者が倒産の形態にこだわる理由でもある。