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人気テーマパークの華麗な買収アトラクション

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※画像はイメージです

1円で売却された那須ハイランドパークの完全復活

那須ハイランドパーク 公式HPより

栃木県の那須ハイランドパークは、那須高原という自然に囲まれたロケーションとも相まって、家族連れにもカップル層にも満足度の高い遊園地となっているが、運営会社である藤和那須リゾートの経営は順風満帆とはいえなかった。2015年12月期にはジェットコースターの部品落下事故などもあって客足が鈍り、2,000万円の営業赤字に転落している。翌2016年5月、当時のグループ親会社である三菱地所<8802>は子会社の三菱地所レジデンスが保有する藤和那須リゾートの全株式を日本駐車場開発<2353>が設立した日本テーマパーク開発に1円で売却することとなった(関連記事はこちらから)。

日本駐車場開発は、駐車場の運営、管理、リース事業以外にも、子会社である日本スキー場開発<6040>を通じて白馬八方尾根や栂池高原など複数のスキー場を経営している。訪日外国人客のニーズを捉えた好調な業績を背景に2015年4月には東証マザーズへの上場を果たした。そうしたリゾート経営のノウハウを活かしたテーマパーク事業への進出ということで、日本駐車場開発にとっては象徴的な買収といえる。

買収後の日本駐車場開発の的確な手綱さばきで那須ハイランドパークの業績は早期に回復。集客⼒の高いキャラクターを起用するなどして来場者数も順調に推移し、2017年7月期の第3四半期(8月-4月)におけるテーマパーク事業のセグメント利益は3億8214万円となっている。テーマパーク事業の開始自体が2016年6月であるため、このセグメント利益は連結営業利益の純増要因となる。

進化を始めたハウステンボス

ハウステンボス 公式HPより

中世オランダをイメージしたハウステンボスは1992年に開業した長崎県佐世保市のテーマパークだ。152万㎡の敷地に総工費2000億円を超える規模で開発された大規模施設であるが、開業以来、業績は低迷したままとなる。ついに、2003年には運営会社ハウステンボスが会社更生法の適用を受けることになった。更生計画に沿った事業運営も軌道に乗ることはなく、スポンサーとなっていた野村プリンシパル・ファイナンスも2010年3月に支援から手を引くこととなる。

2010年4月に100%減資を行った上で、エイチ・アイ・エス<9603>が67%、残りを九州電力、西部ガス、九電工、JR九州、西日本鉄道が引き受ける形で出資を行い、社長にはHIS会長の澤田秀雄氏が就任した。エイチ・アイ・エスは格安航空券で一世を風靡した旅行業界の雄として2004年10月に東証一部に上場を果たしており、九州財界からの期待を背負った社長就任であった。

澤田氏はハウステンボス内のホテルに自身の住所を移し、徹底した改革に着手した。最初に行った改革の1つとして、敷地の南側3分の1を無料で入場できる「フリーゾーン」とし、企業や施設を誘致した上で見込客の増加を図ったことが挙げられる。また、人気アニメ「ワンピース」関連イベントやグッズ販売、ホテル客単価向上などの個別施策も奏功した。エイチ・アイ・エス傘下での実質的な初決算となる2011年9月期は入場者数1,799千人(前期比17%増)、売上高132億円(前期比29%増)、営業利益10.5億円という結果となった。これは1992年の開業以来初の営業黒字への転換である。

現在もロボット、VR(仮想現実)、ドローンなど話題のテクノロジーを駆使したアクティビティを積極的に展開しているハウステンボスだが、2015年11月には長崎県西海市の長島(無人島)を取得しており、新たなテーマパークのオープンにも期待が集まっている。

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日本駐車場開発が駐車場、スキー場に続く、新たなビジネスに進出している。今年5月に那須ハイランドパークの運営会社の株式をわずか1円で取得した。スキー場の再生で培ってきた運営ノウハウをテーマパーク事業に生かす。初年度から好調な滑り出しを見せている。

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