M&A案件の低迷でアクティビストファンドが狙うのは経営トップ
アクティビストが経営トップの交代を要求するケースが増えている。インサイティアによると、アクティビストファンドは昨年、米国企業60社に対して退任を要求した。M&A案件が低迷する中での戦術変更と言える。
LVMH、仏宝飾品メーカー「プラチナム・インベスト」を買収 ティファニー生産強化へ
パリ(ロイター) ― ラグジュアリーブランド世界最大手のLVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、フランス宝飾品ブランドのOrest(オレスト)とAbysse(アビス)を保有するPlatinum Invest Group(プラチナム・インベスト・グループ)の株式の過半を取得することで合意した。LVMH傘下の米高級宝飾大手、Tiffany(ティファニー)の生産増強が狙い。
LVMHは「プラチナム・インベスト・グループはフランス東部に5つの工房を持ち800人の従業員を抱える。ティファニーは同社を取り込むことで、上質でハイエンドなジュエリーの生産を加速させる」としている。
プラチナム・インベストは、LVMH以外の既存の顧客のほか、BVLGARI(ブルガリ)やChaumet(ショーメ)などを傘下に持つLVMHの宝飾品ブランド向けの生産も続ける。
コロナ禍の収束に伴いハイエンドな商品への需要が高まる中、欧州の高級ブランド各社はサプライチェーンの強化に取り組んでいる。
ブルガリも生産体制の増強を進めており、昨年10月にはイタリア北部にあるヴァレンツァの工房を増築し、新たに750人の従業員を採用すると発表。2028年までに生産能力を倍増させる計画だ。
LVMHは現在、注目を集めているティファニーのニューヨーク旗艦店リニューアルオープンに向けて準備を進めており、今月末の開店を予定している。
LVMHはティファニーを2021年に160億ドルで買収。新製品と店舗網の拡大を通じて同社の売り上げを伸ばしたうえで、利益率の改善を目指す。
プライベート・エクイティー投資会社のAndera Partners(アンデラ・パートナーズ)とフランス政府公的投資銀行のBPIフランスはいずれも、プラチナム・インベストの買収契約に関する金銭的条件について明らかにしていない。
(取材:ミモザ・スペンサー、編集:マーク・ポッター)
原文:REUTERS/翻訳:M&A Online
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