デートにおすすめ!東京の有名レストラン3選。経営の裏側まで大公開

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大切な人とのデートにおすすめできる、東京の名店をご紹介します。確実に満足できる味と雰囲気はもちろん。店舗の経営体制までわかります。この記事を読めば、お店で絶品料理と上質な空間を楽しみ、さらに薀蓄を語って話が盛り上がること間違いなしです。今回ご紹介する店舗と会社は以下3つです。

  • ①MAIMON GINZA【マイモン ギンザ】(DDホールディングス<3073>
  • ②焼肉 西麻布「けんしろう」(TBIホールディングス)
  • ③大和屋三玄(コズミックホールディングス)


グッドウィル・グループから高級飲食店を買収

  • 【店舗基本情報】
  • 「MAIMON GINZA(マイモン ギンザ)」
  • 業態:シーフードレストラン
  • 住所:東京都中央区銀座8丁目3 西土橋ビル
  • 営業時間:
  • 月~木・土 17:30~23:30 
  • 金・祝前日 17:30~04:00 
  • 日・祝 17:30~23:00
  • 席数:150席
  • 客単価:~10,000円
  • 公式サイト:MAIMON GINZA
MAIMON GINZA
MAIMON GINZAカウンター

1つ目にご紹介するのが銀座コリドー街にある、牡蠣に特化したシーフードレストラン「MAIMON GINZA(マイモン ギンザ)」です。ガラス張りのファサード(建物正面)から、薄暗い店内を見ることができます。カウンター前に、牡蠣やホタテ、フルーツなどが青白く光る氷の上にずらりと並んでいます。飲食業界で良くいわれる、”エロい”店の典型的な例。大人のナンパスポットとしてすっかり有名になったコリドー街、少人数用の席を設けた1階席は、いかにもそれらしい男女が談笑している姿を見かけたりします。

おすすめは2階席。照明は明るすぎず、暗すぎないちょうど良い雰囲気。茶系を多用したトーンで落ち着いています。1階は”六本木感”が漂っていますが、2階はちゃんとした”銀座”です。客層は30~40代の男女で、落ち着いた会話を楽しんでいます。

MAIMON GINZA
MAIMON GINZA牡蠣

料理は多彩。オイスターバーのように、産地別の牡蠣を楽しむことができます。ウニやエビをふんだんに使った料理のほか、和牛のサーロインステーキなどもあり、海鮮料理が苦手な人でも楽しめるお店です。アルコール類も充実。牡蠣といえば白ワインですが、辛口白ワインの王様「エール・ダルジャン」から、牡蠣にはシャブリといわれる「ドメーヌ・ドラ・コルナス」まで。高級ワインもリーズナブルなものも、幅広く取り揃えています。日本酒やウィスキーも各種揃っていて、幅広い年代層で楽しめるお店です。

MAIMON GINZA
MAIMON GINZAグリル

さて、この「MAIMON GINZA」。DDホールディングスの子会社、シークレットテーブルが運営しています。DDホールディングスは、売上高450億円、業界の売上高ランキングでは現在8位の規模。コンセプトレストラン「アリス」や、九州居酒屋「熱中屋」などを展開しています。ダーツ・ビリヤードの「BAGUS」も買収により傘下に入りました。「MAIMON GINZA」はDDホールディングスが2008年に買収した店舗です。

その前まで、この店舗はグッドウィル・グループの子会社フードスコープが運営していました。フードスコープの設立は1998年。居酒屋業界に新たなコンセプトを持ち込んだ、今井浩司氏の焼き鳥店「今井屋総本店」が前身となっています。今井屋は比内地鶏ブランドを前面に出し、白レバー、ぼんじりなどの希少部位をメニューに載せたことで有名です。砂肝やハツなどの刺身も提供しました。こうしたコンセプトやメニューは今や珍しくもありませんが、それはこのモデルを様々な店舗が真似したから。当時は究極の鶏料理などと言われて、凄まじい人気を誇っていました。勢いにのった今井氏は水炊き専門店「さかえや」や「MAIMON」といった業態を次々と立ち上げます。

グッドウィルは子会社コムスンの不正請求問題などを受け、2008年に廃業。フードスコープは一時ラディアホールディングス(グッドウィルの受け皿会社)に移行しましたが、DDホールディングスがすくい上げる形となりました。買収した狙いは2つです。

  • ①100店舗展開の目標達成
  • ②高級業態の展開


同社は2009年2月期に100店舗展開の目標を掲げており、買収により達成しました。また、高単価の業態開発ができないという弱点をM&Aにより克服し、高級業態専門のシークレットテーブルを立ち上げることができたのです。


けんしろう
けんしろう 寿司


投資ファンドインテグラルが出資する企業が「けんしろう」立ち上げを支援

  • 【店舗基本情報】
  • 焼肉 西麻布 けんしろう
  • 業態:焼肉
  • 住所:東京都港区西麻布4-2-2 Barbizon92 1F
  • 営業時間:
  • 月~土 12:00~24:00
  • 席数:44席
  • 客単価:~12,000円
  • 公式サイト:けんしろう
けんしろう
ロゴ


次は、テレビで紹介されることの多い西麻布の「けんしろう」です。月間の出荷数が30頭を超えないと言われる幻の「尾崎牛」を堪能できるお店です。オーナーシェフである岩崎健志郎氏がオープンしました。「けんしろう」の知名度をいっきに高めた料理が、肉の瞬間燻製。焼いた肉に香り高い煙を閉じ込めたものです。テーブルで蓋を開けるエンターテイメント性の高さも話題となりました。そのほか、雪室でじっくり熟成させたスノーエイジングと呼ばれる技法を用いた肉など、ひと手間、ふた手間かけた絶品料理が並んでいます。ワインはソムリエが厳選した銘柄が50種類以上常備されています。

けんしろう
けんしろう


完全予約、完全個室制となっているので、有名人の御用達となっているようです。ゆったりと静かな場所で過ごしたいなら抜群の店づくり。料亭のような飛び石のしつらえや、木組みのドアなどに高級感が漂っています。プライベートだけではなく、接待などにも十分使えそうです。

岩崎健志郎氏
岩崎健志郎氏


「けんしろう」はTBIホールディングスの店舗です。数々の名店で修行を積んだ牛肉マイスター・岩崎健志郎氏がTBIから出資を受けてオープンしました。TBIは売上高300億円、店舗は140以上を展開しています。居酒屋業界の中では比較的大きい方です。同社は投資ファンド・インテグラルの出資を受けて、成長を加速しています。もともとは、いわゆる”キャッチ系居酒屋”でした。路上で客引きを行って集客するお店です。

キャッチ系のお店は客への水増し請求問題などが表面化し、自治体が規制を強化し始めて一気に衰退しました。危機感を抱いたTBIが見出した活路が業態開発です。他社にはないコンセプトや料理で差別化を図り、集客に繋げようとしています。その一つが「けんしろう」です。人気店となったことで、その狙いは見事当たりました。

TBIはしゃぶしゃぶ業態の「めり乃」や、チーズとはちみつの「ビーハウス」といったインスタ映えする業態も、次々と世に送り出しています。幅広い業態を開発してポートフォリオを強固にし、競争力の強い会社に成長しています。


大和屋三玄公式ホームページ
大和屋三玄公式ホームページ


明治10年の老舗を外食新興企業が買収

  • 【店舗基本情報】
  • 大和屋三玄(やまとやさんげん)
  • 業態:和食・懐石
  • 住所:東京都港区白金台1-1-50 シェラトン都ホテル東京B1F
  • 営業時間:
  • 朝 7:00~10:00
  • 昼 11:30~14:00
  • 夜17:00~22:00
  • 席数:100席
  • 客単価:~15,000円
  • 公式サイト:大和屋三玄
大和屋三玄公式ホームページ
大和屋三玄公式ホームページより「入口」

最後は白金のシェラトン都ホテル内にある「大和屋三玄」です。大和屋ブランドは明治10年、1877年に始まった由緒あるものです。ホテル内のレストランですが、入り口からは石畳の上を歩いて雰囲気を盛り上げる造りとなっています。店内からは緑豊かな庭を見ることができ、自然の移ろいと四季折々の料理とを同時に楽しむことができます。個室で懐石料理を食べることもできますが、天ぷらや寿司専門のカウンターが店内に設けられ、気分次第で好きな料理を選択できます。大変、使い勝手の良いお店です。こちらの個室は外から見られないような工夫がなされているため、政治・芸能関係者が良く使うことで有名です。メニューは毎月変わるので、いつ訪れても楽しめます。

大和屋三玄公式ホームページ
大和屋三玄公式ホームページより「ステーキ膳」

こちらの店舗はコズミックホールディングスが買収した株式会社李之三玄(きしさんげん)が運営しています。コズミックホールディングスは、新興外食企業。関西を中心にFC店を含め400店舗を展開し、売上高は約140億円。「ゆずの小町」や「知床漁場」などの業態を関東にも送り出しています。

同社はブランド力をつけるため、買収戦略を打ち出しました。老舗の「大和屋」を傘下に収めたことで、出店計画に注力できる体制ができました。最近は酒蔵なども買収しているようです。今後は食の川上から川下までの企業へと成長するかもしれません。

文:麦とホップ@ビールを飲む理由