その一方で、安定した収益が見込める不動産事業は強化。2021年4月に東京・銀座のショッピングセンター「銀座インズ」の物件賃貸を手がける持ち分法適用関連会社の銀座インズ(東京都中央区)を子会社化している。
東京高速道路(同)から銀座インズ株式17.67%を追加取得し、持ち株比率を現在の33.33%から51%に引き上げた。銀座インズの安定的運営と松屋グループとの全体的な相乗効果を引き出すために、経営権を掌握したのである...
関西の大手私鉄である阪急電鉄や阪神電気鉄道などを傘下に持つ阪急阪神ホールディングスが、M&Aの動きを強めている。コロナ禍の影響が薄らいだ2022年、2023年と相次いで企業買収を発表したのだ。
トナミホールディングスは今年創業80周年を迎え、北陸最大の物流会社として不動の地位を築く。主力事業の路線トラックの輸送網は全国に広がる。「パンサー(豹)マーク」のロゴはトナミHDの代名詞。その同社、M&Aのフットワークの良さで一目置かれる。
損害保険の不正請求をはじめとする一連の不祥事で、ビッグモーターが窮地に追い込まれている。国内最大手として中古車買取・販売業界に君臨している同社だが、スタートは地方の零細中古車販売業者だった。同社がナンバーワンとなるきっかけは、M&Aだった。
日清紡ホールディングスはM&Aをテコに事業ポートフォリオ(構成)を変革に挑んできたことで知られる。現在、無線・通信、ブレーキ、マイクロデバイスの主要3事業で全売上高の4分の3を占め、祖業の繊維事業は1割に満たない。所属業種も2015年に繊維製品に別れを告げ、電気機器に変更済みだ。