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上場企業の看板を返上するMBO、今年もハイペース

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MBOで株式を非公開化するスノーピーク(写真は東京・原宿の店舗)

6件中、5件に投資ファンドが絡む

足元の2024年のMBOで例年以上に目立つのが投資ファンドの存在。ここまでの6件中、アオキスーパーの案件を除く5件には投資ファンドが絡んでいる。しかも、そのうち4件は海外投資ファンドだ。

1月末に始まったベネッセホールディングスのMBOでは同社創業家がスウェーデン投資ファンドのEQTと組んだ。総額2079億円に上る。

MBOをめぐってはここへきて巨額案件が相次いでいる。中堅や地方の上場企業にとどまらず、大手クラスにも波及してきたからだ。今年1月半ばに完了した大正製薬ホールディングスのMBOは7000億円超と国内最大となった。2月末から3月にかけては製造系・技術系派遣の最大手、アウトソーシングへの2200億円規模のMBOが控える(昨年12月に公表)。

東京証券取引所は昨年3月、プライム・スタンダード市場の全上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を要請。とくにPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業には風当たりが強まっている。さらには物言う株主の台頭も著しい。

こうした中、株価対策や株主の意向に左右されず、中長期で経営改革を進めるための方策として、オーナー系企業を中心にMBOによる非公開化を模索する動きが広がりを見せている。

◎2024年のMBO一覧(届け出ベース)

開始 対象会社 公開買付者 総額 上場
1/9 アオキスーパー 青木商店(創業家) 107億円 1994年
1/25 ペイロール TAアソシエイツ(米国) 240億円 2021年
1/30 ベネッセホールディングス EQT(スウェーデン) 2079億円 1995年
2/9 ウェルビー ポラリス・キャピタル・グループ(日本) 240億円 2017年
2/13 ローランド ディー.ジー. タイヨウ・パシフィック・パートナーズ(米国) 620億円 2000年
2/21 スノーピーク 米ベインキャピタル(米国) 340億円 2014年

※アオキスーパーの案件は2月20日に終了(成立)。これ以外は現在進行中。

文:M&A Online

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