トップ > スタートアップ > VC・CVC >九州電力、西日本鉄道、TOPPAN、東芝が相次いでオープンイノベーションを強化

九州電力、西日本鉄道、TOPPAN、東芝が相次いでオープンイノベーションを強化

alt
JR博多駅(写真はイメージです)

大手企業による、スタートアップや事業会社などとの協業で、社内外の技術やサービスを組み合わせて革新的な価値を創り出す、オープンイノベーションを強化する動きが目立ってきた。

九州電力<9508>、西日本鉄道<9031>、TOPPAN(東京都文京区)の3社は共同で、オープンイノベーションの推進を目的とした組織「シンケツゴー!フクオカ」を2024年6月3日に立ち上げる。

東芝(東京都港区)は、ReGACY Innovation Group(東京都千代田区)と共同で、東芝の新規事業創出を目指す「Toshiba OPEN INNOVATION PROGRAM 2024」を立ち上げた。

政府はスタートアップ支援策の一つとして、大企業とスタートアップとのオープンイノベーションを推奨しており、今後も大企業によるCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)やオープンイノベーションに関する取り組みは増加していきそうだ。

企業の垣根を越えて連携

九州電力、西日本鉄道、TOPPANの3社は、それぞれ独立したオープンイノベーションプログラムを持つ。

九州電力は2022年から、スタートアップや事業会社の優れた技術やアイデアと九州電力が持つ経営資源を組み合わせることで、新規事業の創出などに取り組んでいる。

TOPPANは2017年から、九州地区の社会課題解決に向けて数多くのスタートアップと実証実験を行ってきた。

西鉄は2024年6月から、鉄道事業やバス事業、住宅事業などの幅広い分野で、DX(デジタルトランスフォーメーション)化や人材不足などの課題に対して、スタートアップなどから優れたアイデアを募集する。

これら3社のそれぞれの取り組みを、企業の垣根を超えて他の2社に広げ、経営資源や情報を連携することで、労働力不足やカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる取り組み)などの社会課題の解決を目指す。

3社は「シンケツゴー!フクオカ」を共同で運営するとともに、今後、福岡や九州内で事業を行っている他の企業の参加を募り、活動の幅を拡げていく。

協業や資本提携などを推進

東芝は同社が保有する顧客基盤や製品、サービスなどを活用してスタートアップと協業することで、新規事業を創出するとともに、スタートアップの事業拡大を支援する。

ReGACY Innovation Groupは、同社のデータベースやネットワークを活用した協業先スタートアップの検索のほか、東芝とスタートアップとの協業、共同開発、資本、業務提携などを支援する。

カーボンニュートラルやサプライチェーン(製品の原材料の調達から販売までの流れ)などの分野のほか、遠隔から制御や設定変更、モニタリング、保守サポートなどを可能にするクラウドサービス、360度カメラシステムと映像解析技術を組み合わせた映像DX化の分野などでの協業を見込む。2024年6月9日まで協業するスタートアップを募集する。

政府はスタートアップ支援策として、人材、資金、オープンイノベーションの三つの分野を柱に据えており、オープンイノベーションではスタートアップを対象にした大企業によるM&Aの増加策などに取り組んでいる。

文:M&A Online

コーポレート・ベンチャーキャピタルを特集
「CVCの関連記事はこちら

【M&A Online 無料会員登録のご案内】
6000本超のM&A関連コラム読み放題!! M&Aデータベースが使い放題!!
登録無料、会員登録はここをクリック

NEXT STORY