ベンチャーエンタープライズセンター(東京都千代田区、VEC)がまとめた2020年第1四半期(1~3月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内投資額は387億4000万円と、前年同期(477億3000万円)を18.8%下回った。前年同期は官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)による大口出資案件(約180億円)が含まれており、この点を考慮すれば、増加基調を保っている。投資件数は前年同期比7.4%増の319件だった。

新型コロナで一部に出資中止も

VECは四半期ごとに国内VCによる投資動向調査を集計している。今回の20年1~3月調査には100社が回答した。

2019年度(19年4月~20年3月)でみると、国内投資額は前年度比41.3%増の2064億円で、13年度に現行方式で調査を開始以降、年度ベースで初めて2000億円台に乗せた。件数も同13.1%増の1428件と2ケタの伸びとなった。

新型コロナ感染の影響については、3月に入り、予定していた出資が中止になる案件が一部にみられたという。

1~3月の国内投資を業種別にみると、「コンピューター及び関連機器、ITサービス」が47.6%とトップで、「バイオ・製薬」21.4%、「金融・不動産・法人向けサービス」9.4%、「工業、エネルギー、その他産業」6.9%、「医療機器、ヘルスケアサービス」と「ソフトウエア」が各5.2%、「メディア、娯楽、小売、消費財」2.8%が続いた。

新規ファンド設立、増加に転じる

ベンチャー投資のステージ別の投資動向は金額、件数ともに「アーリー」が40%以上を占め、引き続きトップだった。金額をみると、「アーリー」44.6%(前年同期50.1%)、「エクスパンション」29.3%(同20%)、「シード」14.5%(同22.2%)、「レーター」11.6%(同7.7%)。なかでも、事業の本格展開から拡張段階にあたる「エクスパンション」のシェアが10ポイント近く増えた。

1~3月に新規に組成されたファンドは19本、623億円(2019年10~12月比11本、306億円増加)。本数は2期連続、金額は3期連続で減少していたが、そろって増加に転じ、調整局面を脱した格好だ。

2019年度全体の新規設立ファンド数は前年度比3本増の52本、ファンド総額(新規+追加)は同17.4%増の3260億円だった。

文:М&A Online編集部