ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都千代田区)がまとめた2019年度(2019年4月~20年3月)の国内ベンチャーキャピタル(VC)による投資金額(速報)は前年度比2.0%増の2833億円と5年連続で増加した。調査を開始した2000年度(2825億円)をわずかに上回り、過去最高を更新した。投資件数は1671件で、5.1%減った。

国内向けは7年連続増加、海外向け5年ぶり減

国内VCの投資金額はリーマンショック後の2009年度の875億円を大底に、これ以降はほぼ右肩上がりに増えてきた。18年度は12年ぶりに2000億円台を突破し、2778億円と過去のピーク時の水準にほぼ肩を並べていた。

2019年度投資金額の内訳をみると、国内向けが前年度比24.5%増の2124億円、海外向けが同38.2%減の662億円、国内外不明が47億円。国内向けは7年連続で増加し、海外向けは5年ぶりに減少した。

国内は前年度にINCJ(旧産業革新機構)による大型案件(180億円規模)が含まれているが、これを除くと、47.2%と5割近い大きな伸びとなり、カネ余りを背景に高リターンを期待する投資マネーの出動が活発化した。

一方、海外向けは前年度に大手VCの一部が投資を積極化し、70%を超える大幅な伸びとなり、1000億円を突破したが、19年度はこの反動減が生じた格好だ。

19年度に新規組成されたファンドは42本(前年度51本)、2463億円(同2375億円)だった。

国際比較では格差が歴然

19年度の国内VCによる投資金額(2833億円)を国際比較するとどうか。米国は約14兆5000億円台、欧州は約1兆3000億円、中国は約2兆5000億円(いずれも19年の暦年)。米国と中国はそれぞれ前年より9000億円ほど減ったが、日本との差は歴然している。欧州は2割近い伸びを示した。

今回発表した速報値は8月12日までに回答のあったVC106社のデータを集計。11月に公表する確定値はこれ以降に到着したデータを組み込むため、速報値から若干増加する可能性があるとしている。

文:M&A Online編集部