子供服やベビー服を手がけるキムラタン<8107>は2018年1月から2019年12月までの2年間で、M&Aに7億6900万円を投じる。今後、具体的な案件が出てくる見込みで、この2年間が同社事業の内容や規模が変わる転換期になりそうだ。
キムラタンは2017年10月に新株予約権を発行して14億6900万円を調達することを公表した。調達資金はM&A向けの7億6900万円ほのかに「物流パートナーが運営する中国物流倉庫建設への出資」に2億円、「企業主導型保育園への事業進出」に2億円、「本業の仕入資金」に3億円を投じる。
M&Aの対象については本業のベビー服や子供服関連の分野に絞り込む作戦だ。現在、ギフトや雑貨が好調なことから、こうした分野である服飾雑貨メーカーなどが有力のよう。ベビー服や子供服の市場は厳しい環境にあるが、本業との相乗効果を狙って「打って出る」ことにした。
■保育園事業にも参入
このほか2億円を投じる保育園については、すでに2018年4月に、神戸・元町にオープンした。今後3年間で10園程度の新規オープンを予定しており、子育て支援企業としての魅力を訴えるという。
保育園ではアパレルメーカーらしく、ナチュラルな色合いで見た目にも優しい、半袖、長袖のTシャツ、トレーナー、長丈パンツ、ハーフパンツ、帽子などからなる制服を支給し、汚れ物はすべて幼稚園で洗濯、着替えやおむつを持参する必要がないという。
キムラタンが本社を置く神戸は港町で、1868年に神戸港が開港。その後衣食住をはじめとする多様な外国文化が入り、当時の日本に大きな影響を与えた。その一つが洋服で、日本人初のテーラーが神戸・元町に開業し、神戸は近代洋服業発祥の地となった。
現在でも大手アパレルメーカーのワールドや、子供服のファミリアなどが神戸に本社を置いており、キムラタンもこうした企業の1社。
創業は1948年で、ベビー服や子供服を中心にスーパーや百貨店での販売、ネット通販などに取り組んできた。2018年3月期は売上高は44億2000万円と前期よりも5.3%増収となるものの、営業損益は3億2000万円の赤字の見込みだ。「売って出る」M&Aが起死回生の一打となるか。
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