のれん非償却についての問題意識

日本ではのれんの償却後残高が毎年減っていくのに対して、IFRSでは当初の発生額が貸借対照表に計上されています。その金額を対象として減損テスト方式で毎年計上額が見直されることになるため、理論上は減損損失が小出しに計上されていっても良さそうです。しかし、現実的には欧州企業などで突如として巨額の減損損失が発生することが問題視されています。

上述のフーガーホースト議長は、オランダで財務大臣などの要職を歴任した後、2011年に前任のトゥウィーディー議長の退任に伴い、IASB議長となりました。2014年に東京で包括利益などに関して講演を行った際、日本のASBJ(企業会計基準委員会)が提案する会計基準に関するペーパーについて「bento box」のようにエレガントだと述べています。

茶色の包装紙にくるまれたハム&チーズのサンドイッチで育ったオランダ人にとって日本の弁当は深遠な印象があるとのことです。こうしたリップサービスも手伝い、発言内容が注目されやすい傾向にあるのかもしれませんが、今回の償却論議がのれんに関する情報開示の在り方も含めた有意義なものになることを期待したいと思います。

文:北川ワタル(公認会計士・税理士)