メガバンクを中心に、今銀行は過渡期を迎えている。金融商品の販売だけでは、個人顧客を相手に商売をすると言っている部門の利益はなかなか出づらいからだ。
そこで多くのメガバンクでは、金融商品の販売だけではなく、金融とは関係ない非金融のサービスに力を入れているのを、皆さんは知っているだろうか。
メガバンクが、今力を入れている非金融サービスは、主に2つの種類がある。・
・生活に必要なサービスを案内する
・インターネットなどのパスワードを管理するサービス
生活に必要なサービスの案内とは何か。具体的には、銀行が提携している掃除の代行業者やトイレなど水回りのトラブルなどに対応する業者をすぐに紹介してくれるサービスを指す。
ほかにも料理を作ってくれる業者を紹介してくれたり、セカンドオピニオンを著名な医者に受けられるサービスを用意しているようだ。さらに、毎月1回、銀行の外回りのパートの担当者が訪問をしてくれるため、安否確認に利用する人もいる。
月額料金は1万円程度かかるようだが、何かトラブルが起きたときにすぐに相談できる内容になっているので多くの利用者がいるようだ。
この記事を読んでいる方の中には、インターネットなどのパスワードが多すぎて管理できていない方も多いのではないだろうか。様々なパスワードを一括で管理できるサービスをある銀行では提供している。
月額料金は300円程度かかるが、セキュリティー面で安心ができる銀行で一括管理してくれるのは非常に大きなメリットになるだろう。
投資信託や保険などの手数料が引き下げられている今、銀行がある程度の収益を確保するためには、金融以外のこのような非金融サービスがカギになるといわれている。
特別必要ではないと思われる方もいるかもしれないが、年齢を重ねるにつれて、先ほど紹介した内容については、大きな需要が見込まれるだろう。
金融以外のサービスについては、今後多くの銀行で力を入れる傾向が見られるため、さらなるユニークなサービスが出てくるかもしれない。
なかなか資金がないと利用をできないのは事実だが、生活を安定させるために、このようなサービスを利用するのも良いだろう。
今回は、銀行が提供している非金融サービスについて説明をした。銀行が生き残るためには様々なことをことをする必要がある。その第一歩が非金融分野のサービスで、預金者の関心を集めつつある。
文:渡辺 智(メガバンクに11年勤務。法人営業・個人営業に従事)
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