[ワシントン 2日 ロイター] - 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、今年もレバレッジドバイアウト(LBO)の低迷が続くとの見通しを示した。
資金調達コストの急上昇、デフォルト(債務不履行)リスク、評価額の低下でデット投資家の関心が薄れているという。
同社のアソシエート・マネジングディレクター、クリスティナ・パジェット氏は、景気後退(リセッション)シナリオで格付けが「B3」以下に相当する企業の債務の購入に投資家が慎重になっていると指摘。一般的に投資家の需要は「B2」の方が多いと述べた。
また買収側が不透明なマクロ経済環境を理由に買収額を下げる可能性があり、被買収企業が身売りに消極的になる可能性があるとも指摘した。
ムーディーズは投機的等級企業のデフォルト率が、現在の2.2%から年末には5.4%になるとも予想。昨年12月から今年1月にかけて投機的等級の格下げの半分以上はB2とB3だった。
同社がリフィニティブのデータを基に指摘したところによると、レバレッジドローンは2月1日時点で140億ドルにとどまった。前年同期は310億ドルだった。
こうした状況をダイレクトレンダーは商機と捉えている可能性がある。
プライベートエクイティのオークツリー・キャピタル・マネジメントは1日、私募クレジットファンドを設定し、LBO向けの資金100億ドルを調達したことを明らかにした。
オークツリーは「大型LBOをファイナンスするデット資本の提供が限られる一方、まだ投資されていないプライベートエクイティ資本が記録的な高水準にあることを踏まえると、この市場は現在、特に魅力的だ。ファイナンスを必要としている」と述べた。
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