銀行は今大きな変革期を迎えている。メガバンクといえば、駅前の中心地に店舗があるのが当たり前だった。しかし、現在、メガバンクの出店はほとんどなくなり、店舗同士の統合を進めている。あるメガバンクでは、店舗の統合だけではなく、店舗の立地にまで手をつけようとしているのを皆さんはご存知だろうか?
そこで今回は、将来の銀行店舗について説明をする。
現在、メガバンクの多くは、単独店舗ではなく、グループの証券会社や信託銀行と同一の店舗で営業している。このようにすることで家賃を節約できるからだ。
一部のメガバンクでは、そもそも駅前の一頭地に店舗を出すのをやめる計画がある。具体的にはショッピングモールに店舗を移すようだ。ショッピングモールの中には保険の相談ができる施設など様々な金融店舗がある。
銀行もそのような相談店舗になるようだ。警備の人員を大幅に削減でき、少ない行員で運営できることから、今後ますますこのような形態は増えるのではないだろうか。とりあえず今年から来年にかけて試験的にこのような店舗を出すようだ。
ショッピングモールにあると一見すると便利に見えるが、このような店舗では現金の取り扱いはできないようだ。現金を伴わない振り込みなどはできる予定だが、基本的には資産運用相談とカードローンの申し込み手続きしかできなくなる。
住宅ローンの相談や法人関係の手続きに関しては一切できないため、ほとんどの方にとって非常に不便になるのではないだろうか。
では、なぜ銀行は顧客の利便性を奪うようなことをするのだろうか。それは、個人の顧客を相手にするリテール業務の収益がかなり厳しいからだ。収益を回復させるために、利益が出やすい資産運用業務とカードローンに集中して、その他の業務は行わない決断をした。
もちろん、ショッピングモールの中にある店舗だけではなく、今まで通りの通常店舗も残るようだが、その数は激減するはずだ。計画によると500店舗近くある現在の店舗から100店舗程度になるとの噂もある。
今後銀行のあり方は大きく変わることが想像できるだろう。
ひと昔前までは、銀行の店舗に出向いてお金の出し入れをするのが一般的だった。この記事を読んでいる30代以上の方の多くは、小さい時、両親と銀行に行った記憶があるのではないだろうか。
しかし、そのような時代は終わりつつある。今やほとんどの手続きがインターネットバンキングで可能だ。わざわざ銀行に出向いて手続きをする必要はほとんどなくなりつつある。
現在もメガバンクの多くは印鑑の変更などは店舗に出向く必要がある。しかし今後、印鑑の利用自体がなくなる可能性があるため、ほぼすべての手続きをインターネットバンキングでできるようになるのではないだろうか。
振り込み手数料なども安いため、店舗に出向く必要はほぼないのだ。皆さんもネットバンキングに慣れていく必要があるだろう。
今回は、銀行の店舗の今後のあり方について説明をした。今後銀行の店舗は今とは大きく変わる可能性が高い。今までのように気楽に銀行に行って現金の手続きができる時代は終わる可能性が高いだろう。今後銀行に相談できるのは、資産運用やカードローンの相談だけになる可能性が高い。
ぜひ今回の記事を、銀行が大きく変わった時、ネットバンキングなどの準備をする参考にしていただければ幸いだ。
文:渡辺 智(メガバンクに11年勤務。法人営業・個人営業に従事)
ブロックチェーン調査会社ダップレーダーのモデスタ・マゾイト最高財務責任者(CFO)は、「ブロックチェーンにおける次の大きな分野はゲームだと誰もが考えている」と語る。