バチカン市国より広い「イオンモール取手」で見えた次の一手とは

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鉄道会社の次は大型量販店が都市開発をリードする

専業の不動産会社以外だと古くは阪急電鉄による宝塚開発、最近では東急電鉄による二子玉川開発など、鉄道会社が沿線を中心に都市開発の主導権を握ってきた。「イオンモール取手」が成功すれば、大手量販店が都市開発の新たなプレーヤーとして躍り出ることになる。

インターネット通販の普及や専門店の集客力強化で、大手量販店や百貨店といった大規模小売業は「冬の時代」を迎えている。都市開発という不動産ビジネスが、大規模小売業を救うかもしれない。

イオンのような大規模小売業は広大な空き地を、あっという間に商業集積地に生まれ変わらせることができるのが強みだ。郊外の安い土地に巨大ショッピングセンターを建設して地価を引き上げ、賃貸または分譲することで利益をあげる。

鉄道会社でも新路線を開業し、沿線の地価を引き上げた上で賃貸・分譲するスキームはそっくりだが、時間軸が違う。鉄道会社の新路線開設は数十年かかることもざら。一方、日本最大のショッピングモールとなる「イオンモール取手」ですら、準備組合が結成された6年後には開業する計画だ。

長期的な経済状況が読みにくい中、都市開発期間の短さは需要見誤りのリスクを引き下げる。その結果、イオンによる都市開発の精度は高くなり、不動産事業者としての存在感は今後ますます増していくことになるだろう。

文:M&A Online編集部

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