夏本番!アイス関連銘柄の決算書分析

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V字回復に期待!のサーティワンアイスクリーム

サーティワン アイスクリームHPより

B-Rサーティワンアイスクリームは、1973年に不二家<2211>と米国バスキン・ロビンス社の合弁会社として設立された経緯を持つ。バスキン・ロビンスの日本におけるフランチャイズ本部として、ロードサイド型店舗、ビルイン型店舗、フリースタンディング型店舗などを出店し、現在では全国1,100店舗を超えるまでになっている。

同社の事業内容はアイスクリームの製造および販売となっているが、森永乳業や井村屋などのメーカーとは趣を異にし、フランチャイジー店舗への商品供給がメインストリームとなっている。16年12月の売上高197億円のうち、製品(アイスクリーム、シャーベット、スペシャリティデザート)の売上が150億円、ロイヤリティー収入が35億円、店舗用設備賃貸収入が10億円という割合になっている。

B-Rサーティワンアイスクリームの販売実績

(単位:千円) 前年同期比(%)
製品 アイスクリーム 11,699,238 5.8
製品 シャーベット 1,154,939 30.8
製品 スペシャリティデザート 2,242,414 2
小計 15,096,592 6.7
ロイヤリティー収入 3,517,238 5.6
店舗用設備賃貸収入 1,092,452 0.6
合計 19,706,283 6.2

同社有価証券報告書(28年12月期)販売実績より

過去5年間の売上高および段階損益の推移は下記のようになっている。近年、利益率の悪化が見られるため、森永乳業および井村屋と同様、利益率だけの推移も合わせて掲記したい。

15年12月期は、7月から9月の天候不順、コンビニ需要の高まりなどの影響を受けて特に業績が落ち込み、40年ぶりの最終赤字となってしまった。翌16年12月期には、かつて好調であった2000年代の原点に戻るべく、「Back to Basics」という戦略テーマを掲げ、マーケティングに注力した。フレーバー、ターゲット、キャンペーンなどを根本から見直し、6月から8月には大型のプロモーションを実施、テレビCMやSNSなども積極活用した結果、16年12月期における売上高は前期比6.2%増の197億円と回復した。

7月26日に発表された17年12月期の第2四半期(17年1~6月期)業績でも、売上高は前年同期比3.3%増の92億円、経常損益は1,500万円の赤字(前年同期は1億7,800万円の赤字)、最終損益が3,200万円の赤字(前年同期は8,900万円の赤字)と回復基調がうかがえる。なお、上半期で赤字になること自体は、季節要因を考えると致し方ない面もある。前年同期と比較して数値が改善しているのであれば、通期の数値にも期待が持てるといえるだろう。むしろ、今夏、この瞬間に、コンビニで「あずきバー」を買うのか、サーティワンの店舗に足を運ぶのかという消費行動こそが本決算での命運を分けるということができる。

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