英国では4日にジョンソン首相が「経済活動を制限しなくても、ウイルスと共生する方法がある」と都市封鎖などの厳しい規制はしないと宣言。翌5日にはワクチン接種を完了した入国者には、出国前のウイルス検査を免除するなど入国規制も緩和している。
2021年11月に世界で初めてオミクロン株が確認された南アフリカでは、ワクチン接種完了率が人口の3割に満たないが、公共の場所でのマスク着用と1000人超の大規模集会が規制されているぐらいで経済活動は平常通りだ。それにもかかわらず同12月中旬からコロナの新規感染者数は減少を続け、現在ではピーク時の半分以下にまで下がっている。
こうした状況から、知事たちは「オミクロン株に緊急事態宣言は過剰反応」と判断しているようだ。松井一郎大阪市長や小池知事は、新型コロナウイルスの感染症法の分類を現在の2類から一般のインフルエンザと同じ5類に引き下げるよう口火を切った。
前の安倍・菅政権ではコロナ対策が後手に回ったことで支持率が急落しており、岸田首相は2類から5類への引き下げに慎重だ。これまでの緊急事態宣言は、知事たちに「早く出せ」と迫られて政府が重い腰を上げてきたが、今度は「攻守逆転」となりそうだ。国民はどちらの主張を支持するのだろうか。
文:M&A Online編集部