火中の「きのこ」を拾う!?

第四銀行の最近のM&Aで興味を引くのは、2010年代前半、「雪国まいたけ」をめぐる対応。当時、新潟経済界は雪国まいたけの動向に注視していた。東証2部上場だった雪国まいたけは有価証券報告書に虚偽記載をしたとして、2014年に、金融庁から2250万円の課徴金の納付を命じられた。

金融庁によると、「取得を断念した土地の取得費用として支出した金額について、本来は全額損失処理すべきであったところ、建設仮勘定として資産計上し続け、その後に取得した別の土地の取得費用であることとして合算することにより、損失計上を回避し、土地を過大に計上するなどしていた」という。

雪国まいたけの一連の調査では、このような不適切な会計処理が散見された。きっとその背景には、2011年度が21億円、2012年度が18億円の2期連続赤字がボディーブローのように響いていたこともあったのだろう。

そうした状況下、雪国まいたけは創業家支配からの脱却を狙い、米国投資ファンドのベインキャピタルが運営するファンドと組み、TOB株式公開買い付け)による株式の非公開化に動いた。第四銀行は、そのTOBに応募することを表明したのである。

当時の第四銀行ニュースリリースには、次のように記されている。

「当行は、株式会社雪国まいたけの株式に対して設定していた担保権を実行し、株式を取得したうえで、取得後に保有するすべての雪国まいたけの株式を、公開買付けに応募することを決定した」

一言でいうと、雪国まいたけの株式の一部の担保権を実行し、その担保権実行により取得した株式を公開買付けに応募して「債権回収を図った」ということだ。第四銀行はそのことが雪国まいたけの持続性を高めると考えた。第四銀行としては、地域経済の発展と雪国まいたけに対する債権の保全強化の二兎を狙ったのだ。

雪国まいたけの騒動は当サイト「雪国まいたけの経営を神明に託したベインキャピタルはやはり優秀だった」にも紹介されている。

一連のM&Aは「創業家支配からの脱却と創業家の対抗」ともいわれたが、雪国まいたけは2015年にはベインキャピタルが運営するファンドが設立したBCJ-22という会社の完全子会社になり、東証2部の上場は廃止となった。第四銀行はベインキャピタルの意向を受け、解決の筋道をつけた、もしくは決定打を放ったということもできる。

文:M&A Online編集部