買収した第百三十九銀行は上越市文化財に

このなかで、1943年の百三十九銀行の買収は新潟金融史においてエポックメーキングな出来事とされる。百三十九銀行は新潟県高田町(現上越市)に1979年に創立したナンバーバンク。大正期から昭和初期の銀行大合併の時代、高田商業銀行、直江津商業銀行、新井銀行、柿崎銀行、越後銀行の買収を重ね、上越高田を中心に新潟県という広い県域の上越地方(南西部)を営業エリアとする県内主力銀行の一つであった。

偉容・圧巻の円柱が館内に

その百三十九銀行を第四銀行が買収した。ちなみに、百三十九銀行の本店(旧第四銀行高田支店)は現在、上越市の「高田まちかど交流館」として開放され、百三十九、第四銀行の金融資料館の性格を併せ持つ。

高田まちかど交流館は1931年に建てられた、当時では珍しい鉄筋コンクリート造の建造物。2019年に上越市文化財に指定された。見学は無料。展示室では建物の特徴や銀行の沿革、建築当時の高田の歴史などを知ることができる。

建物としては、外観は力強いルスティカ積みの石材にオレンジ色のレンガタイル張り。建物の内部は漆喰仕上げ。驚くのはホールの1、2階吹き抜け部に6本の円柱がそびえる姿。まさに偉容。圧巻に映る。茶系色で統一された柱頭や格天井回りの縁飾り、壁や天井は白という調和のとれた厳かな内観である。

2階には地元のアーチストが個展を開けるギャラリーがある。建具、階段や手摺りなどは優れた職人技が見られ、現在の工業製品とは趣が異なる。

頭取室だった展示室は、百三十九銀行本店として建設された当時の写真のほか、第百三十九国立銀行の定款や創立証書などの貴重な資料を展示している。また、日銀の本店金庫を彷彿させる重厚な旧金庫室なども保存されている。

「みなとぴあ」の敷地に復元移築された旧住吉町支店(新潟のまこちゃん/フォトライブラリー)

また、有形文化財としては、第四銀行の旧住吉町支店(1927年開店)も同行の歴史を物語る建造物の1つ。

旧支店建物は2004年に「みなとぴあ(新潟市歴史博物館)」の敷地に復元移築された。昭和初期の端正な建築様式が評価され、2005年に国の登録有形文化財に登録されている。

1992年に竣工した本店ビル内にある「だいし金融資料室」を新潟金融史のソフト面の資料展示場とすれば、第四銀行の旧住吉町支店は貴重なハード面の遺産ということができる。