「バリュエーションの教科書 企業価値・M&Aの本質と実務」
30年にわたって企業価値算定にかかわってきた著者は「バリュエーションは簡単な公式に美しく収斂する。それさえ理解すれば経営者や実務家として十分」と主張する。
売れているのには理由がある――。数多あるビジネス書の中から、どの本をいま読むべきか決めるのはなかなか難しい作業。ならば、世間で売れている本に注目してみようというわけで、ハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」の協力のもと、ビジネス書の月間ランキングを毎月お届けする。
<2017年11月ビジネス書ランキング>
ランキング | タイトル/著者/出版社 |
---|---|
第1位 |
SHOE DOG 靴にすべてを。 フィル・ナイト/東洋経済新報社 |
第2位 |
残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する エリック・バーカー/飛鳥新社 |
第3位 |
銀行消滅 新たな世界通貨体制へ (Econo―Globalists) 副島隆彦/祥伝社 |
第4位 |
革命のファンファーレ 現代のお金と広告 西野亮廣/幻冬舎 |
第5位 |
大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる 齋藤孝/SBクリエイティブ |
第6位 |
会社四季報 業界地図 2018年版 東洋経済新報社 編/東洋経済新報社 |
第7位 |
頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法 田村耕太郎/朝日新聞出版 |
第8位 |
投資なんか、おやめなさい (新潮新書) 荻原博子/新潮社 |
第9位 |
経営者は遊び心を持て 空飛ぶ怪鳥・松本謙一の人間学 村上毅/日刊工業新聞社 |
第10位 |
多動力 全産業の“タテの壁”が溶けたこの時代の必須スキル(NewsPicksBook) 堀江貴文/幻冬舎 |
honto調べ(集計期間:2017年11月1日~2017年11月30日)
11月のランキングは、先月第8位だったNIKE創業者フィル・ナイトの自伝「SHOE DOG 靴にすべてを。」がトップに上りつめた。NIKEの創業秘話に、日本のシューズメーカー・オニツカや総合商社日商岩井が登場するのは意外であり、面白い。特設サイトにて特別ダイジェスト版が試し読みできるので、気になる人は本屋に足を運ぶ前にチェックを。
「SHOE DOG 靴にすべてを。」もアメリカで話題となった一冊だが、同様に全米でベストセラーとなった「残酷すぎる成功法則 9割まちがえる『その常識』を科学する」が第2位にランクイン。こちらはアメリカで人気のブログ“Barking Up The Wrong Tree”の筆者、エリック・バーカーによる初の書き下ろし本だ。
ブログタイトルであり原題でもある“Barking Up The Wrong Tree”は「お門違い・見当違いをする」という意味。そのタイトル通り、本書では一般的に知られている「成功の法則」がいかに間違っているのかを最新のエビデンスを交えながら検証していく。心理学などの行動科学の論文や研究結果を引き合いに出している点が、これまでの自己啓発本とは一線を画す。読み進めていくうちに、当然だと思い込んでいた成功者像を崩されていくので、ある意味、痛快だ。
続く第3位、評論家・副島隆彦氏の新刊「銀行消滅 新たな世界通貨体制へ」もランキング初登場となる。近未来の予言をすることでも知られる著者が、今回予言するのは「銀行の消滅」。デジタル技術の進化、ビットコインをはじめとする仮想通貨の台頭により、銀行が淘汰されるという。本書の発売とほぼ同時期にメガバンク3行の大規模リストラが報じられただけに、説得力を感じずにはいられない。このほか、緊張高まる米軍の北朝鮮爆撃についても予言。当たる、当たらないは別として、経済や世界情勢の現状を理解するのに一役買ってくれる一冊だ。
まとめ:M&A Online編集部
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