「日本の至宝」と評されるコレクションを誇るDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)が2025年1月から休館する。同美術館を所有するDIC<4631>の業績不振に伴い、アクティビスト(物言う株主)から売却を迫られているからだ。推定1400億円とも言われる美術品は、巧みなM&A戦略が生み出した莫大な利益で入手した。美術館を救えるのもまた、M&Aによる業績回復ではないか。
DICは2024年8月、同美術館を休館して規模縮小と東京への移転を目指すと発表した...
歯科製品の通販事業などを展開する歯愛メディカルが、婦人服を中心とした通販会社であるニッセンホールディングスを傘下に収めたことで、ステージが大きく変わろうとしている。両社の商品を相互に取り扱うことでシナジーを創出しようという作戦だ。
食・医に次ぐ事業領域として、キリンホールディングス<2503>がサプリメントに代表されるヘルスサイエンス領域の育成に力を注いでいる。2023年12月期には1034億円だった同領域の売上高を、30年以降には5000億円規模にまで拡大する目標も明らかにしている。
セイノーホールディングスは、物流業界の中で最も戦略的に「協業」「オープンイノベーション」に取り組む企業グループだろう。外部の力を取り入れ成長を図る同社はM&Aにも積極的に動いている。
第一生命ホールディングスがM&Aに積極的だ。収益強化のために取り組んでいるのが、国内では伝統的な生命保険を中心とした保障領域に止まらず、「非生命保険」「生活の質(QOL)の領域」での商品・サービスの拡大。一方、生命保険事業の成長への活路は、アジアや米国などの海外市場に見出した。